土一揆と異常気象が歴史に与えた影響とは？徳政令や気候変動との関係を解説！室町時代の土一揆：気候変動と社会不安

それでは、本日の記事の内容を３つのポイントに絞ってご紹介いたします。

徳政令の歴史

日本の歴史における徳政令について、その変遷を時代背景とともに見ていきましょう。

徳政令とは】簡単にわかりやすく解説目的や内容・影響・その後など

✅ この記事は、日本の歴史における「徳政令」について、時代背景とともに解説しています。

✅ 徳政令は、借金帳消しの法令であり、時代によって内容が変わってきたことを説明しています。

✅ 鎌倉時代、室町時代、戦国時代における徳政令の内容と、その背景、効果、影響について詳しく述べています。

さらに読む ⇒日本史事典｜受験生のための日本史ポータルサイト出典/画像元: https://nihonsi-jiten.com/tokuseirei/

徳政令は時代によって内容が異なり、その背景や目的が変化している点が興味深いですね。

徳政令は、借金の帳消しを目的とした法令であり、その内容は時代によって変化し、目的や効果も大きく異なりました。

古代・中世では災害や飢饉などの際に農民への税を免除したり、刑罰を緩和したりする仁政として行われていました。

鎌倉時代には、御家人の経済的な困窮を救済するために、北条貞時が永仁の徳政令を発布しました。

これは、御家人が20年以内に質入れや売却した所領を元の持ち主に返却し、関連する訴訟を認めないという内容でした。

しかし、この法令は金融業者にとって大きな損失をもたらし、その後は貸し付けが滞り、御家人の生活はさらに苦しくなりました。

室町時代になると、徳政令は農民からの要求によって発布されるようになり、特に正長と嘉吉の徳政一揆では、農民が借金帳消しを求めて蜂起しました。

戦国時代には、織田信長や豊臣秀吉なども徳政令を発布しましたが、その目的は民心掌握や領国の安定化など、政治的な目的が強くなっていました。

現代では、法律によって借金帳消しは認められていませんが、借金問題を抱える人々に対する支援制度は存在します。

なるほど…時代によって徳政令の意味合いがこんなにも変わってくるんですね！勉強になります。

異常気象と一揆

戦国時代の始まりとされる室町幕府の衰退には、異常気象による飢饉が大きく影響していたのですね。

戦国時代は火山爆破連鎖と寒冷化で始まった民族学伝承ひろいあげ辞典

✅ 戦国時代は、15世紀後半から17世紀初頭にかけての約1世紀半にわたる長期の戦乱時代であり、そのきっかけは室町将軍の権威失墜と山名宗全と細川勝元の私闘だとされています。しかし、近年では、15世紀に入って天候不順が続き気温が低下した結果、全国各地で飢饉が頻発し、食い詰めた農民が流民となって京都に大量に流入してきたことが戦乱時代のきっかけであるという説が有力です。

✅ この気温低下は、1440年代から1480年代にかけて発生した複数の巨大火山噴火と、シュペーラー極小期と呼ばれる太陽活動の低迷が原因と考えられています。これらの噴火によって大量の火山灰と硫酸エアロゾルが放出され、太陽光を遮断することで地球の気温が低下したのです。

✅ 気温低下によって発生した飢饉は、農民の生活を困窮させ、土一揆などの社会不安を引き起こしました。これらの社会不安は、室町幕府の権威をさらに弱体化させ、戦乱の時代へと繋がっていったと考えられます。

さらに読む ⇒民族学伝承ひろいあげ辞典出典/画像元: https://kodaisihakasekawakatu.blog.jp/archives/16240390.html

異常気象と社会不安の関連性について、詳細な解説ありがとうございます。

田家康氏の論文『世界史のなかの戦国時代〜異常気象小氷河期が戦乱を生んだ』によると、1420年から1540年頃の太陽活動が低下した「シュペーラー極小期」に、日本は全国的な飢饉に見舞われ、その結果、度重なる一揆が発生したとされています。

論文では、1420年代から1530年代の約110年間で11回の全国的な飢饉が発生したとされています。

これは、室町時代前期の1330年代から1420年までの90年間で起きた飢饉が3回だったことと比較して、その頻度が著しく増加していることを示しています。

論文では、1423年、1427年、1428年、1437年から1438年、1445年から1446年、1460年前後に発生した飢饉と、それに伴う一揆について詳しく解説されています。

え、そんなに気温が下がっていたんですか？そしてそれが戦乱の原因の一つだなんて、驚きです！