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『万葉集』の夏の歌:恋や自然、そして言葉の力とは?万葉集に見る日本の夏の風景

日本の古歌集『万葉集』。夏の草木の成長を噂や恋心に重ね、ホトトギスの鳴き声で切なさを表現。うなぎを食べて夏を乗り切るユーモラスな歌も。持統天皇の歌で夏の訪れを告げ、序詞が歌に深みを与える。普遍的なテーマで、現代人の心にも響く人間模様を描き出す、いにしえの歌の世界へ。

夏の到来:持統天皇の歌

持統天皇の歌が伝える夏の訪れの象徴は?

衣を干す風景

次は、夏の到来を祝う持統天皇の歌について見ていきましょう。

春すぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山

公開日:2023/mm/dd

春すぎて夏来にけらし白妙の衣干すてふ天の香具山

✅ 「春過ぎて夏来たるらし白妙の衣干したり天の香具山」は、持統天皇が詠んだ歌で、夏の到来を喜び、政治がうまくいっていることを示唆する歌です。

✅ 歌は、白妙の衣を干す様子と天の香具山の緑とのコントラストが美しく、季節の移り変わりが鮮やかに表現されています。

✅ この歌は、政治的な意味合いを持つだけでなく、自然の美しさに対する作者の感性も感じ取ることができます。

さらに読む ⇒ベネッセ教育情報みつかる、明日のまなび。出典/画像元: https://benesse.jp/kyouiku/hyakuninisshu/002.html

夏の到来を喜び、政治的な安定を暗示する歌ですね。

情景描写の美しさも印象的です。

持統天皇の歌「春過ぎて夏来るらし白妙の衣干したり天の香具山(28)」は、夏の到来を詠んだ代表的な歌として紹介されています

藤原宮の天の香具山を望む風景を、夏の到来と重ねて詠んだ歌で、夏の始まりに衣を干す様子が当時の日常の風景だったことがわかります。

持統天皇の歌は、夏の情景と政治的な意味合いが結びついていて興味深いですね。当時の人々の心情が伝わってくるようです。

序詞:言葉の力

序詞は和歌にどんな影響を与えた?

表現を深め、独特の力を与えた

次に、万葉集を読み解く上で重要な、言葉の力について見ていきましょう。

古今和歌集の枕詞・序詞・掛詞・縁語・見立ての解説と、漢詩の影響について~日本文化紹介シリーズ~

公開日:2025/04/28

古今和歌集の枕詞・序詞・掛詞・縁語・見立ての解説と、漢詩の影響について~日本文化紹介シリーズ~

✅ 古今和歌集は、平安初期に醍醐天皇の勅命によって編纂された勅撰和歌集で、枕詞・序詞・掛詞・縁語・見立てといった特有のレトリックを用いている。

✅ これらのレトリックは、古典和歌の表現技法として発達し、特に掛詞と縁語は古今和歌集で洗練されたものである。

✅ 見立ては、漢詩の影響を受けた技法であり、日本の伝統的な和歌表現に深みと奥行きを与えている。

さらに読む ⇒寒山庵出典/画像元: https://miyoshiyakyoto.com/kokin-wakashu/

序詞のような表現技法が、歌に深みを与えているのですね。

特に序詞が地名を表す例は、興味深いですね!。

序詞は、枕詞と同様に、歌の表現を導き出す役割を持つが、枕詞よりも長文で複雑な関係を持つ。

序詞によって描かれる像はより具体的で明瞭であり、その原型は長い伝承的な詞章であった可能性がある。

序詞は、歌い手の心情を比喩的に表現する役割も担い、特に短歌においてその傾向が顕著になる。

鏡王女の歌は、序詞を用いた歌の典型的な例であり、作者の心情を巧みに表現している。

また、作者不明の歌では、長大な序詞を用いて地名「倉無の浜」を導き出し、土地讃めを実現している。

この例は、序詞が新たな伝承を生み出す可能性を示している。

枕詞や序詞は、単なる修辞技法ではなく、和歌を日常の言葉から区別し、歌い掛ける対象に働きかける重要な表現要素である

これらの表現を持つことで、和歌は独特の力を持つことになる。

枕詞や序詞といった表現技法が、歌に独特の世界観を生み出すんですね。単なる飾りではなく、歌の本質に関わるものだということがよく分かりました。

万葉集:普遍的なテーマ

万葉集はどんなテーマを扱っているの?

普遍的な人間の感情

最後に、万葉集の普遍的なテーマについて見ていきましょう。

特集ワイド:万部に迫る大ヒット、令和の万葉集若者言葉、昔と今つなぐ

公開日:2023/04/17

特集ワイド:万部に迫る大ヒット、令和の万葉集若者言葉、昔と今つなぐ

✅ 「愛するよりも愛されたい」というタイトルで、万葉集の恋歌を現代語訳した歌集が、若者言葉で表現されたユニークさで話題となり、6刷6万部と大ヒットしている。

✅ 著者は、ひとり出版社「万葉社」を経営する佐々木良さんで、コロナ禍で10万円の給付金で起業し、結婚式記念に発行した歌集がSNSなどで話題となり、急増する需要に対応するために、印刷を繰り返している。

✅ 佐々木さんは、現代語訳を通して万葉集をより身近なものに感じてもらい、将来的には1億円を納税するという目標を達成したいと考えている。

さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20230417/dde/012/040/012000c

現代語訳の歌集が話題になっているのは、万葉集が現代の私たちにも共感できるテーマを扱っているからでしょうね。

『万葉集』は、現代の私たちも共感できる普遍的なテーマを扱っており、古今東西変わらない人間の感情や想いを深く考えさせてくれる文学作品と言えるでしょう。

万葉集が現代でも多くの人に支持されているのは、時代を超えて普遍的なテーマを扱っているからかもしれませんね。

本日の記事では、万葉集における夏の歌を通して、古代日本の文化や人々の感情を垣間見ることができました。

🚩 結論!

💡 万葉集は、恋や自然描写を通して、古代の人々の感情を豊かに表現している。

💡 歌に用いられる表現技法(序詞など)は、歌に深みと奥行きを与えている。

💡 万葉集は、現代の私たちにも共感できる普遍的なテーマを扱っている。