キルケゴール哲学入門！主体性、実存、絶望とは？（セーレン・キルケゴール）？キルケゴールの実存思想：主体性と絶望

本日は、キルケゴールの思想をわかりやすく解説していきます。

それでは、第1章へ進みましょう。

キルケゴールの思想：主体性と絶望

この章では、キルケゴールの思想の基礎となる「主体性」と「絶望」について解説していきましょう。

キルケゴールの思想をわかりやすく解説！主体的真理、実存の三段階とは？

公開日:2023/05/14

✅ キルケゴールは「主体的真理」を説き、客観的真実ではなく、自分にとっての主観的な理想を追求することが重要だと主張しました。

✅ キルケゴールは、個人が主体性を得る過程を「美学的実存」「倫理的実存」「宗教的実存」の3段階に分けて説明しました。

✅ キルケゴールは、ソクラテスの「無知の知」の考え方に影響を受け、ヘーゲル哲学が個人の人生について語っていないことに対し、個人の人生に焦点を当てた哲学を主張しました。

さらに読む ⇒哲学ちゃん出典/画像元: https://tetsugaku-chan.com/entry/Kierkegaard

キルケゴールの思想は、現代社会においても自己を見つめ直す上で非常に示唆に富んでいますね。

特に、3段階の実存の理解は、自己成長の道筋を示しているように感じます。

セーレン・キルケゴールは19世紀のデンマーク出身の実存主義哲学者であり、人生の主体性や絶望について考察しました。

彼は、客観的な真理よりも、自分が人生で最も大切だと感じる価値観や信念である「主体的真理」を重視し、西洋哲学にパラダイムシフトをもたらしました。

キルケゴールは、個人が主体性を得る過程を「美学的実存」「倫理的実存」「宗教的実存」の3段階に分け、それぞれの段階における絶望について説明しています。

美学的実存は、快楽や衝動に突き動かされる段階で、虚無感や絶望が生じます。

倫理的実存は、永遠の真理を探求し、自分の選択に責任を持つ段階で、能力の有限性に直面し、絶望を感じます。

最後は、人生における絶望を自覚し、神と向き合うことで真の主体性を得る宗教的実存です。

キルケゴールは、自分の有限性を自覚し、神との関係を通して人生の意味を見出すことを強調しています。

現代社会でも、彼の思想は、個人の生き方や価値観について考える上で重要な示唆を与えてくれます。

なるほど、キルケゴールは、自分の内面を深く見つめることの重要性を説いたんですね。ヘーゲル哲学との対比もわかりやすいです。

キルケゴールの生と思想の形成

この章では、キルケゴールの生い立ちと、彼の思想がどのように形成されたのかを詳しく見ていきます。

キルケゴール『死に至る病』を解説

公開日:2023/09/30

✅ キルケゴールは「死に至る病」とは「絶望」であり、絶望は人間だけが患う病気であると主張し、3つのタイプの絶望を分類しました。

✅ 絶望は、神や社会、自分自身に対する失望から生じ、人間の存在や目的意識を揺るがす深刻な問題であるとされています。

✅ キルケゴールは、絶望から解放されるためには、自己の存在と神との関係性を深く理解し、自分自身を受け入れることが重要であると説いています。

さらに読む ⇒トップページ出典/画像元: https://mangadedokuha.jp/blog-column004-kierkegaard/

キルケゴールの人生経験が、彼の哲学に深く影響を与えていることがよくわかります。

特に、父との関係やレギーネとの別れは、彼の思想の根幹をなしていると言えるでしょう。

キルケゴールは、1813年にデンマークのコペンハーゲンで生まれました。

敬虔なキリスト教徒であった父ミカエルの影響は大きく、父の過去に起きた神への反抗は、キルケゴール自身の思想にも大きな影響を与え、「大地震」とも呼ばれる出来事となりました。

生涯で唯一愛した女性レギーネとの関係も、彼の思想形成に深く関わっています。

彼は神学を学び、1843年に『あれか―これか、人生の一断片』を皮切りに、立て続けに著作を発表し、1849年には『死に至る病』を発表しました。

この作品で実存思想の基礎を打ち立て、42歳の若さで亡くなりましたが、彼の思想は、現代の実存主義思想に大きな影響を与え続けています。

キルケゴールの生い立ちを知ると、彼の思想がより深く理解できますね。彼の人生が、まるで哲学そのものだったんですね。