戦時下の子供たちの暮らしを振り返る〜食と絵日記から見えるものとは?戦時下の子供たちの日常と食生活
昭和館特別企画展「知ってるかな?戦中のくらし」は、戦時下の子供たちの目線で、当時の生活を鮮やかに描きます。日記や写真、再現された料理を通して、食糧難や空襲、学童疎開など、戦争が子供たちの日常に与えた影響を伝えます。栄養分析された弁当や代用食から、当時の人々の知恵と工夫、そして平和への願いを再認識する展示。戦争を知らない世代へ、平和の尊さを伝える貴重な機会です。
💡 戦時下の子供たちの絵日記からは、戦争の影が色濃く反映された日常の変化が見て取れます。
💡 戦時中の食生活では、限られた食材を工夫して栄養を確保する知恵が光る弁当が作られました。
💡 食糧不足は子供たちの栄養失調を引き起こし、代用食を食べるなど厳しい状況でした。
今回は、戦時下の子供たちの暮らしを様々な角度から見ていきます。
まずは、当時の子供たちの日常についてご紹介しましょう。
戦時中の子供たちの暮らし:日記を通して見た戦時下の日常
戦時中の子供たちの生活はどんなだった?
厳しいながらも懸命に生きていた
本日は、戦時下の子供たちの絵日記を通して見た、当時の日常の変化についてご紹介いたします。
公開日:2023/09/12

✅ 1944年4月12日の瀬田国民学校絵日記には、チューリップの花が美しく描かれており、戦争の影響を受けていない平和な日常がうかがえます。
✅ しかし、翌年3月19日の絵日記には、真っ黒に塗りつぶされたB29の飛行機の絵と「憎らしきB29 今に見ていろこの戦」という言葉が書き込まれており、戦争が子供たちの心に影を落としている様子が見て取れます。
✅ 約1年間の瀬田国民学校絵日記を通して、子供たちの絵が平和な日常から戦争の影響を受けた様子に変化していく様が見て取れます。
さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20230813/k00/00m/040/147000c平和な日常から戦争の影が忍び寄る様子が、絵日記の描写の変化から見て取れますね。
子供たちの心境の変化が痛いほど伝わってきます。
昭和館で開催された特別企画展「知ってるかな?戦中のくらし~子どもたちの一日~」は、昭和16年から20年にかけての日記を中心とした展示を通して、戦時中の子供たちの日常生活を再現しています。
展示では、当時の家庭での生活、学校での生活、遊びの様子などが紹介され、戦争の影響を受けた子供たちの生活が、写真や図解、映像などを交えて具体的に示されています。
特に、戦争の始まりから、国民学校への移行、初めての東京空襲、学童疎開、そして終戦を迎えるまでの、子どもたちの変化と心の揺れ動きが重点的に描かれていることが特徴です。
この展示は、戦争を知らない世代に、戦中の子どもたちの生活と戦争に対する思いを伝えることを目的としており、当時の子供たちの視点から戦争の残酷さ、平和の大切さを再認識する機会を提供しています。
絵日記から子供たちの心境の変化が読み取れる点が興味深いです。展示を見に行きたくなりました。
戦時中の食生活:限られた食糧で工夫を凝らした子供のお弁当
戦時中の子供のお弁当はどんな工夫がされていた?
油揚げで栄養補給
戦時下の食生活は、限られた食材で工夫を凝らした、まさに知恵の結晶と言えるものでした。

✅ 1942年の中国新聞記事から、当時の食糧事情を反映した「油揚のそぼろ弁当」と「あげうどん」を再現し、栄養分析を行った。
✅ 分析の結果、両料理とも当時の基準では栄養が偏っており、特にカルシウムと鉄分が不足していた。しかし、油揚げや揚げる工夫など、限られた食材で栄養を補う知恵が凝らされていることが分かった。
✅ 戦時中の食糧事情の厳しさを改めて認識させるとともに、食べることの大切さ、そして戦争の残酷さを訴える内容となっている。
さらに読む ⇒中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター出典/画像元: https://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=144167食糧不足の中、工夫を凝らして栄養を補っていたんですね。
食の大切さを改めて感じます。
1942年2月28日の中国新聞に掲載された、太平洋戦争が始まって2カ月後の食糧不足の折柄、子供のお弁当のアイデアを紹介した記事を元に、当時の料理を再現し、栄養分析を行いました。
記事には「油揚のそぼろ弁当」と「あげうどん」のレシピが掲載されており、当時の家庭では、わずかな食糧で栄養を確保するため、このような工夫を凝らしていたことがわかります。
現代の栄養基準と比較すると、当時の料理は栄養が偏っており、たんぱく質、脂質、炭水化物、カルシウム、鉄分などの摂取量は、現在の基準を大幅に下回っていたことがわかります。
しかし、当時の状況を考慮すると、油揚げを使って動物性たんぱく質を補ったり、油で揚げることで腹持ちを良くしたりするなど、知恵と工夫が凝らされていることがわかります。
限られた食材で工夫していたんですね。当時の人々の知恵に感銘を受けました。
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戦時下の食糧難、代用食の時代。新聞記事分析から、食生活の変化と平和の大切さを考察。米不足の時代を乗り越えた人々の知恵と工夫に迫ります。