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江戸時代の出産事情とは?~命が紡がれる、母と子の物語を探求~江戸時代の出産:出産方法から、女性たちの生活まで

江戸時代の出産は、現代とは異なる過酷なものでした。若くして出産を経験し、乳幼児死亡率も高かった時代。産婆の支え、安産を願う風習、そして母子の健康を願う普遍的な思い。そこには、命の尊さ、周囲の支えの大切さ、そして現代にも通じる教訓が詰まっています。

江戸時代の出産事情とは?~命が紡がれる、母と子の物語を探求~江戸時代の出産:出産方法から、女性たちの生活まで

📘 この記事で分かる事!

💡 江戸時代には産婆が中心となり、座産など独特な出産方法が行われていました。

💡 妊娠中の女性は周囲の助けを借り、安産祈願など様々な工夫をしていました。

💡 出産は命がけであり、現代とは異なる環境の中で出産が行われていました。

本日は、江戸時代の出産事情について、詳しく見ていきましょう。

まずは、出産に関する基礎知識からご紹介いたします。

揺りかごから土へ ― 江戸時代の出産と、命が紡がれる物語

江戸時代の出産、どんな過酷な環境だった?

乳幼児死亡率高く、死と隣り合わせだった。

江戸時代には、現代とは異なる出産環境がありました。

出産は、今の時代と比べると、非常に大変だったようです。

壮絶すぎる…江戸時代の出産が超命がけ。恐るべし江戸時代の母ちゃん!
壮絶すぎる…江戸時代の出産が超命がけ。恐るべし江戸時代の母ちゃん!

✅ 江戸時代には、産科医は少なく、産婆が中心となって出産を支えていた。産婆は資格がなく、酒を飲み、剛胆な性格の人も多かった。

✅ 出産は、座るかしゃがむ体勢で行われ、産婦は産綱などを利用して体勢を変えながら、静かに歯を食いしばって出産に臨んでいた。

✅ 出産後も、女性は静かに振る舞うことが美徳とされ、出産時の声すらも出すことを恥ずかしいと考える風潮があった。

さらに読む ⇒日本文化と今をつなぐウェブマガジン出典/画像元: https://mag.japaaan.com/archives/63162

当時の女性たちは、出産という大きな出来事に、強い覚悟を持って臨んでいたことがわかります。

乳幼児死亡率の高さや、出産後の過酷な生活も、想像を絶するものがありますね。

江戸時代の女性たちは、現代とは異なる環境で出産に臨みました。

平均初婚年齢は18~24歳と若く、平均で4~5人の子どもを産みましたが、乳幼児死亡率は高く、7歳まで生き残るのは容易ではありませんでした。

出産は家の外にある産屋で行われ、産婆が取り上げ、医師は関与しないのが一般的でした。

出産時には、妊婦は座ったまま力綱を使い、周囲の女性たちの助けを借りて出産に臨みました。

難産への対応は限られ、帝王切開は1852年頃に初めて行われた記録があります。

出産は常に死と隣り合わせであり、穢れの思想も存在したため、出産は一大イベントであり、出産を支える産婆は、霊的にも頼られる存在でした。

出産後も、女性たちは7日間寝てはいけないなど、過酷な生活を送っていました。

現代とは状況が全く違いますね。産婆さんが重要な役割を担っていたこと、そして出産が一大イベントだったことが印象的です。

母となる女性たちへ ― 妊娠と安産のための知恵

江戸時代の妊婦は何を避けた?現代の胎教にも通じる教えとは?

冷たい飲食物、麝香、不吉な話など。心の持ちよう。

妊娠への意識や安産を願う気持ちは、現代と変わらないことに、どこか安心感を覚えますね。

安産祈願の「戌の日」「帯祝い」…ちゃんと準備してる?
安産祈願の「戌の日」「帯祝い」…ちゃんと準備してる?

✅ 妊娠5ヶ月目の最初の「戌の日」に、腹帯や妊婦帯を巻いて母子の健康を祈願する「帯祝い」は、古くからの伝統行事として知られています。

✅ 「帯祝い」では、事前に自分で腹帯や妊婦帯を用意する人が多く、神社で安産祈願をする人も多数います。

✅ プレママのほとんどが「戌の日」を知っており、安産を願う気持ちは昔も今も変わらず、伝統行事はしっかりと受け継がれています。

さらに読む ⇒はじめての妊娠・育児情報サイト|ピジョンインフォ出典/画像元: https://pigeon.info/premama/article/29.html

『女大学』でのアドバイスは、現代の妊婦さんにも通じる部分が多く、驚きました。

母親の心の持ちようや、食事に気を配ることは、昔から重要だったんですね。

妊娠した女性たちは、お腹の子どもの健やかな成長を願い、様々なことに気を配っていました。

文化文政期の女性向け教訓書『女大学』では、夫婦円満を心がけ、性交や冷たい飲食物を避けること、医師に相談して適切な食事をとること、麝香の入った薬を服用しないこと、目に悪い色や不快な音を避けることなど、具体的なアドバイスがなされました。

また、教えや徳に関する書物を読み、人の死や不吉な話を聞かないように指示されました。

これは、胎児が未発達なため、悪いものに触れると悪影響を受けると考えられていたためです。

また、現代の胎教にも通じる考え方があり、母親の心の持ちようや、食事、日常の姿勢に気を配ることが重要であると説かれました。

妊娠5ヶ月目には、安産を願う「帯祝い」という儀式が行われ、多産な親戚の女性が腹帯を巻くことで、妊娠を周囲に公表していました。

昔の人々も、お腹の赤ちゃんのことを思って、色々なことに気を配っていたんですね。安産祈願の風習が今も残っているのも納得です。

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江戸時代の出産事情を紐解く。産婆たちの特権、出産様式、そして母子の健康を願う想い。現代にも通じる教訓がそこにはある。