ヒグマ襲撃事件の記憶と教訓：1970年、日高山脈カムイエクウチカウシ山で何が起きたのか？福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ襲撃事件：手記から読み解く惨劇と教訓

本日は、1970年に北海道日高山脈で発生した、福岡大学ワンダーフォーゲル部のヒグマ襲撃事件について、詳細に解説していきます。

事件の真相と、そこから得られる教訓について掘り下げていきましょう。

プロローグ：50年後の記憶

1970年、日高山脈カムイエクウチカウシ山で起きたヒグマ襲撃事件。

著者は、50年後の現在、当時の記憶を辿り、ヒグマとの遭遇体験を振り返ります。

当時の状況を紐解きます。

2ページ目)ヒグマの゛恐ろしさ゛を知らしめた「日高福岡大ヒグマ事件」とは 「土饅頭」に隠されていた遺体

公開日:2023/11/19

✅ ヒグマは獲物を隠す習性があり、自分のものと示すためにササなどをかぶせることがある。この土饅頭には近づくと襲われる危険性がある。

✅ ヒグマは獲物に執着するため、人間が近づいても逃げない場合がある。

✅ 1970年の事件では、食べ物に執着するヒグマの習性を知らなかった登山者が襲撃され、死者が出た。

さらに読む ⇒AERA dot. (アエラドット) | 時代の主役たちが結集。一捻りした独自記事を提供出典/画像元: https://dot.asahi.com/articles/-/206665?page=2

ヒグマの習性と人間の無知が招いた悲劇。

食料管理の甘さが、ヒグマを惹きつけ、結果として、罪のない登山者の命を奪うことになった。

教訓として、肝に銘じなければならないと感じます。

1970年、北海道の日高山系で、福岡大学ワンダーフォーゲル部をヒグマが襲撃し、3名が犠牲となるという痛ましい事件が発生しました。

著者は、50年後の現在、この事件を思い出し、自身の過去のヒグマ遭遇体験を振り返ります。

当時、著者は同じ日高山脈を登山しており、幌尻岳でヒグマに遭遇しました。

テントの外に食料を放置していたことが原因で、ヒグマに荒らされるという事態に見舞われましたが、幸いにも難を逃れました。

地元の登山者はヒグマの危険性を熟知しており、著者の遭遇を伝えると、直ちに下山を勧めたそうです。

この事件は、ヒグマの生態と人間の無知が引き起こした恐ろしい出来事ですね。当時の登山者の安全意識の低さや、ヒグマに関する知識の不足が、悲劇を招いた要因の一つだったと考えられます。

カムイエクウチカウシ山の悲劇

1970年のヒグマ襲撃事件で犠牲となった興梠盛男氏の手記を読み解きます。

手記には、ヒグマとの遭遇から救助要請に至るまでの詳細な状況が記録されており、当事者の恐怖が伝わってきます。

興梠メモ（全文）～カムエク福岡大ヒグマ襲撃事件

公開日:2020/10/12

✅ 1970年に北海道日高山脈で発生したヒグマ襲撃事件で、犠牲となった登山者の興梠盛男氏の手記の全文が公開されました。

✅ 手記には、ヒグマとの遭遇から逃走、そして他の登山者への救助要請に至るまでの詳細な状況が記録されています。

✅ この事件は、ヒグマの習性や対処法に関する教訓を与え、現在まで登山者のヒグマによる死亡事故を減少させる一助となりました。

さらに読む ⇒元山岳部部長の登山講座出典/画像元: https://yukinoshingun.com/past-kamueku-memo/

手記を読むと、ヒグマの執拗な攻撃と、逃げ惑う登山者たちの絶望感が伝わってきます。

生還した方々の苦しみ、そして犠牲者の無念さを思うと、胸が締め付けられます。

1970年7月25日から27日にかけて、福岡大学ワンダーフォーゲル部のメンバーは日高山脈カムイエクウチカウシ山でヒグマに襲われました。

興梠盛男氏（当時大学2年）の手記には、その壮絶な状況が克明に記録されています。

事件は、ヒグマが登山用リュックサックを運び、テントを荒らし、メンバーを執拗に追い回すというものでした。

夕食後にヒグマが現れ、助けを求めていたメンバーが追いつかれ、興梠氏がヒグマと対峙し、逃走する様子も記されています。

最終的に、この事件では3名が死亡、2名が辛うじて生還しました。

加害ヒグマは駆除されました。

興梠氏の手記は、事件の生々しい記録として貴重ですね。ヒグマの恐ろしさ、そして人間が置かれた極限状態が克明に描写されており、当時の状況を理解する上で非常に重要です。