寺尾栞莉さんの切り絵画文集『きり絵画文集原爆ヒロシマ』? 原爆の悲劇と、記憶を伝える絵本原爆の記憶を後世に伝える、切り絵と絵本の物語
被爆体験を隠していた寺尾さんが、還暦を過ぎてから原爆の記憶を切り絵で表現。友禅型紙の技術を活かし、広島の惨禍を鮮烈に描いた画文集『きり絵画文集原爆ヒロシマ』が、原爆投下80年を前に奇跡の復刊! 生々しい描写は今も人々の心に深く刻まれ、戦争の悲劇と人間の優しさを伝えます。絶版から43年、市民団体の動画がきっかけで、再び命を吹き込まれた不朽の名作。
💡 美術作家の寺尾栞莉さんが、原爆の記憶を鮮烈な切り絵で表現。個展が開催され、コレクターからの支持も厚い。
💡 寺尾栞莉さんの切り絵画文集『きり絵画文集原爆ヒロシマ』は、生々しい描写で読者に強烈な印象を与え、教材としても使用された。
💡 長らく絶版状態だった寺尾栞莉さんの絵本が、奇跡的に復刊決定。戦争の記憶を風化させない強い思いが込められている。
本日は、広島の原爆の記憶を切り絵で表現した寺尾栞莉さんの作品と、それらの絵本化について詳しく見ていきましょう。
沈黙の時代と決意
還暦過ぎてからの決意!寺尾さんの原爆表現、何故?
記憶を後世に伝えるため、切り絵で表現!
まずは、寺尾栞莉さんがどのようにして、この絵本を制作するに至ったのか、その背景を見ていきましょう。
彼女の決意と、作品への思いに迫ります。
公開日:2020/02/21

✅ 美術作家の塔尾栞莉さんの個展「fragments of memory」が表参道MASAHIRO MAKI GALLERYで開催された。
✅ 塔尾さんの制作は、写真から始まり、マスキングテープでブロックごとに分解し、油絵の具でキャンバスに移し描く手法。記憶の曖昧さや欠落を表現している。
✅ 日常の風景や自身の記憶をモチーフとし、デジタル画像の劣化を思わせる絵肌が特徴。コレクターからの支持も厚く、今後の活躍が期待される若手アーティスト。
さらに読む ⇒個展】記憶への眼差しを表現する〜塔尾栞莉「fragments of memory」MASAHIRO MAKI GALLERY出典/画像元: https://burart.jp/2020/02/shiori-tono-fragments-of-memory/彼女の作品は、単なる美術作品を超え、記憶を呼び覚ます力を持っていますね。
写真から油絵への変換という表現方法も、記憶の不確実さを表しているようで興味深いです。
戦後、寺尾さんは被爆体験を隠し、原爆の話題を避けていました。
しかし、兵士たちの記憶が忘れ去られることに違和感を覚え、還暦を過ぎてから、後世に伝えるために、自身の記憶を切り絵で表現することを決意しました。
友禅型紙製作で培った技術を活かし、一本の刀で、原爆の惨禍を鮮烈に描き出しました。
寺尾さんのような方がいらっしゃるからこそ、歴史は風化せずに受け継がれるんですね。還暦を過ぎてからの決意、素晴らしいです。
絵本誕生と反響
原爆の惨状を伝える、寺尾さんの代表作とは?
『きり絵画文集原爆ヒロシマ』です。
次に、実際に刊行された絵本の内容と、その反響について見ていきましょう。
多くの人々に影響を与えたその作品の魅力を探ります。
公開日:2024/08/07

✅ 広島原爆投下から79年を迎え、各地で核兵器廃絶を願う式典や集会が行われた。
✅ 被爆者の高齢化が進む中、被爆体験の継承が課題となっている。
✅ 被爆者の葛下友和さんは、自身の被爆体験を語り、若い世代に二度と原爆の悲劇を繰り返さないように伝えている。
さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20240807/ddl/k28/040/144000cあらゆる年齢層に強烈な印象を与えたという点が重要ですね。
特に、重傷の少年たちの描写は、戦争の悲惨さをより深く感じさせます。
寺尾さんの切り絵画文集『きり絵画文集原爆ヒロシマ』は、1982年に刊行されました。
A5版、本文96ページ。
救護艇に絡まる遺体、焼け焦げた兵士、水を求める被爆者、母親の乳房を探る幼子…。
寺尾さんの生々しい描写は、あらゆる年齢層の読者に強烈な印象を与え、広島県内の学校などで教材としても使用され、長く愛される作品となりました。
特に、重傷の少年2人が互いを思いやる姿は、極限状態における人間の優しさを際立たせました。
すごい!そんな絵本があったんですね。ぜひ読んでみたいです。子供にも分かりやすく、戦争の恐ろしさを伝えることができそうですね。
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原爆投下80年前に奇跡の復刊!43年の時を経て、戦争の記憶を風化させない絵本が、YouTube動画をきっかけに再び。深い思いが込められた物語。