平安の書、三跡の魅力とは? 日本書道史を彩る三人の能書家たちの書の世界を紐解く。小野道風、藤原佐理、藤原行成。平安の三能書家「三跡」の書の世界
平安時代、日本独自の美意識を花開かせた「三跡」:小野道風、藤原佐理、藤原行成。唐風の書を基盤に「和様」書道を確立し、日本の書道史に革命を起こした。優美な道風、奔放な佐理、気品ある行成。それぞれの個性が光る作品は、現代にも日本の美を伝え、私たちを書の奥深き世界へと誘う。教科書にも掲載される三跡の書は、今もなお、書道のお手本として愛され続けている。
奔放なる筆、藤原佐理
藤原佐理の書風は?どんな特徴があるの?
力強く、奔放な筆致が特徴!
藤原佐理は、奔放な筆致で知られる能書家。
この記事では、彼の書風の特徴と、代表作について詳しく解説します。

✅ 藤原佐理は、三跡の一人に数えられる能書家で、現存する作品の多くは書状であり、その書風は王羲之や懐素の草書に近く、奔放でダイナミックな印象を与える。
✅ 佐理の作品には、現存最古の懐紙作品である「詩懐紙」をはじめ、「恩命帖」、「去夏帖」、「離洛帖」、「頭弁帖」などがあり、それぞれ異なる年齢、状況で書かれたもので、書風にも変化が見られる。
✅ 佐理は名家に生まれ、才能を高く評価された一方、気まぐれで実務能力に欠ける面も持ち合わせていたとされ、彼の作品は現代の書家にも大きな影響を与えている。
さらに読む ⇒天来書院出典/画像元: http://www.shodo.co.jp/blog/yume2021/494/佐理の書は、まるで筆が生きているような躍動感がありますね。
彼の人間性が、そのまま書に表れているというのも面白いです。
藤原佐理は、家柄と才能に恵まれ、その才能は幼少の頃から発揮されました。
草書に秀でた彼は、字形にとらわれず自由に速く書く「一墨之様」という独自の書風を確立しました。
小野道風や藤原行成のような整然とした字形とは異なり、佐理の書は独特の癖があり、力強く奔放な筆致が特徴です。
酒好きで怠け者と評されることもありましたが、その人間味溢れる性格が、その書にも現れています。
代表作には、摂政藤原道隆に宛てた詫び状である「離洛帖」があり、その筆力や筆勢は比類なく、現代の書道愛好家にも親しまれています。
佐理の書は、力強くて魅力的ですね。彼の人間性と書風の関係性、もっと詳しく知りたいです!
和様を完成させた藤原行成
藤原行成の書風、何が特徴?
独自の「権跡」と呼ばれる書風。
藤原行成は、和様書道を完成させた人物として知られています。
この記事では、彼の代表作と、その書風の特徴を解説します。
公開日:2023/08/24

✅ 藤原行成は平安時代中期の三跡の一人で、小野道風に憧れ、和様を完成させた。彼の代表作「白氏詩巻」は、優美で繊細な書風が特徴で、和様書の代表的な作品として知られている。
✅ 行成の書は、男性的な小野道風や自由奔放な藤原佐理とは異なり、品格と趣があり、多くの書道家に愛されている。現存する自筆作品には「白氏詩巻」や「書状」などがあるが、仮名作品は自筆と断定されているものはない。
✅ 「白氏詩巻」は、うねりのある曲線、空間の計算、流れの良い運筆が魅力で、臨書を通じてその表現の豊かさを感じることができる。行成の書からは、彼の真面目な性格や温かい人柄が感じられる。
さらに読む ⇒書道、やっています出典/画像元: https://syodo.tokyo/?p=2618行成の書は、品格と趣があり、多くの書道家に愛されているのですね。
和様書道の優美さを象徴する『白氏詩巻』、詳しく見ていきましょう。
小野道風の没後に活躍した藤原行成は、その影響を強く受けながらも、独自の「権跡」と呼ばれる書風を確立しました。
行成は、藤原道長に認められ高位に昇り、その書は後世に大きな影響を与えました。
行成の書は、その後の平安時代の書に大きな影響を与え、その子孫は書の家として宮中に仕えました。
代表作である『白氏詩巻』は、和様書道の優美さを象徴し、日本書道史において重要な位置を占めています。
行成は、単に書の技術に長けただけでなく、日本文化における美意識を体現し、その作品は、現代においてもその価値を失うことがありません。
藤原行成の書は、安定感がありますね。和様の完成者としての彼の作品、楽しみです!
三跡の残影、書道文化への貢献
三跡が日本の書道史に残した功績とは?
和様書道の確立と、日本文化への貢献。
本章では、三跡の書が、日本の書道文化にどのような影響を与えたのかを解説します。
公開日:2021/02/02

✅ 三筆は平安初期の空海、嵯峨天皇、橘逸勢を指し、唐の書風を学びつつ独自の書法を確立し、日本書道の基礎を築いた。
✅ 三跡は平安時代中期に活躍した小野道風、藤原佐理、藤原行成を指し、和様書道の大家として知られ、それぞれ野跡、佐跡、権跡と呼ばれる書風を確立した。
✅ 三筆と三跡の違いは、三筆が唐風の書の影響を受け独自の書風を開発したのに対し、三跡は国風文化の中で仮名誕生後に和様書道を確立した点にある。
さらに読む ⇒ものがたりする平安出典/画像元: https://heianmagazine.com/culture/sanpitsu-sanseki-nousyoka三跡の書は、単なる技術的な高さだけでなく、日本人の心に響く美しさがあるのですね。
和様書道の確立に大きく貢献した、という点も重要です。
三跡の活動は、遣唐使廃止による国風文化の興隆を背景に、日本独自の書、すなわち「和様」の発展を促しました。
彼らの作品は、単なる技術的な高さだけでなく、日本人の感性に響く美しさを表現し、日本の書道史に大きな足跡を残しました。
三跡の書は仮名文字の発展と共に、日本独自の書道の表現を追求し、後世に大きな影響を与え、その作品は教科書に掲載され、書道のお手本として広く用いられています。
三跡の書は、それぞれの個性を際立たせながら、和様書道の確立に貢献し、日本の書道文化を豊かにしました。
彼らの功績は、現代においても色褪せることなく、私たちに書の奥深さ、そして人間性の大切さを教えてくれています。
三跡の書が、現代の書道にも影響を与えているというのは、素晴らしいですね。彼らの功績について、もっと詳しく知りたいです!
本日は、平安時代の書道家「三跡」について解説しました。
それぞれの個性豊かな書風、そして日本の書道文化への貢献について、ご理解いただけたでしょうか。
💡 三跡は、それぞれ異なる個性を持つ能書家であり、和様書道の確立に貢献しました。
💡 彼らの作品は、日本の書道文化に大きな影響を与え、現代にも受け継がれています。
💡 それぞれの書風の違いを理解し、その魅力を感じることが、書道鑑賞の楽しみを深めます。