藤原顕光とは?~出世争い、道長との確執、呪詛…その生涯とは?~『光る君へ』で描かれる藤原顕光の悲哀
藤原顕光、道長の影に隠れた男。良家の子息ながら、無能と嘲笑され、権力闘争に翻弄された悲劇の貴族。娘の死、呪詛の噂、そして「悪霊左府」という不名誉なレッテル…。『光る君へ』では宮川一朗太が演じる、掴みどころのない彼。その複雑な生涯と、道長との確執を、ドラマと史実から読み解く。
💡 藤原顕光は藤原北家出身で、父は摂政関白を務めた藤原兼通。道長との確執により、不遇な晩年を送る。
💡 娘の入内や出産を期待するも、結果は出ず。道長の台頭により、政治的な影響力を失っていく。
💡 晩年は娘の不幸や、道長への呪詛の噂が絶えない。ドラマ『光る君へ』での描かれ方も紹介。
それでは、藤原顕光の生い立ちから晩年、そして『光る君へ』での描かれ方まで、詳しく見ていきましょう。
藤原顕光の生い立ちと道長との関係
藤原顕光是どんな人物だったのか?
権力闘争の中で苦悩した人物
この章では、藤原顕光の生い立ちと、彼を取り巻く人間関係について見ていきましょう。
公開日:2024/06/14

✅ 藤原顕光は、摂政・関白を務めた藤原兼通の長男として生まれ、父の後を継いで政治の世界に進出しました。しかし、弟の朝光に才能で劣り、出世が遅れました。
✅ 顕光は、権中納言にまで昇進しましたが、その後は出世が止まり、弟の朝光が権力の中枢に近づいていきました。
✅ しかし、疫病が流行した際に、多くの有力貴族が亡くなったことで、顕光は権大納言に昇進し、その後も右大臣にまで昇進しました。
さらに読む ⇒サライ|小学館の雑誌『サライ』公式サイト出典/画像元: https://serai.jp/hobby/1177962顕光の出世が遅れた背景には、道長の台頭と、彼自身の能力や運命的な巡り合わせがあったようです。
ドラマではどのように描かれるのか楽しみですね。
藤原顕光は、藤原北家出身で、父は兼通、母は元平親王の娘という恵まれた出自を持つ人物でした。
当初は順調に出世し、父・兼通が関白を務めた時期には、その恩恵を受けていました。
しかし、父の死後、権力を握った藤原道長とその一族の台頭により、顕光の立場は危うくなってしまいます。
道長の勢力拡大の中で、顕光は右大臣に就任しますが、ドラマ『光る君へ』で描かれたように、意思がなく、判断力に欠ける人物とされ、実際にも儀礼などで粗相が目立ったという記録が残っています。
顕光は、娘の元子が一条天皇に入内し、出産を期待していましたが、元子は男児を出産することはありませんでした。
このことから、顕光は権力闘争の中で、自身の実力不足を感じていた可能性があります。
道長の権勢が強まる中で、顕光は自身の立場を守るため、あるいは権力に近づこうとしたのかもしれません。
しかし、道長と敵対するような行動に出ることもなく、結局は道長の影に隠れ、その生涯を終えることになります。
興味深いですね。道長との対比で、顕光の人物像がより鮮明に見えてきます。彼の無念さが伝わってきます。
顕光の晩年と道長との確執
藤原顕光は、どんな人物だったのでしょうか?
家柄重視の官僚
この章では、顕光の晩年と、道長との確執について詳しく見ていきます。

✅ 藤原顕光は、藤原道長の従兄であり、関白の長男ながらも、才覚に恵まれず、弟や従弟たちに出世を追い抜かれた人物です。
✅ 長徳元年、疫病流行による摂関家の後継者争いのなか、道長が内覧に就任し、顕光は31歳で左大臣に就任しましたが、その後も仕事のできる人物とは認識されず、儀式の手順を間違えるなど、同僚から嘲笑されることもありました。
✅ 顕光は娘の元子を一条天皇の女御に迎え、妊娠させることに成功し、未来の天皇の外祖父になる可能性を秘めていましたが、元子の出産が難航し、さらに道長の娘も成長し、顕光は大きなチャンスを逃し、最後は愛とプライドだけを手に生涯を終えました。
さらに読む ⇒和樂美の国ニッポンをもっと知る!出典/画像元: https://intojapanwaraku.com/rock/culture-rock/249533/顕光の晩年は、まさに不遇だったと言えるでしょう。
家柄は良くても、才能や運に恵まれなかった。
ドラマでは、宮川一朗太さんが演じるということで、どのような人物像になるのか、期待が高まります。
藤原顕光は、藤原道長の従兄で、関白の長男ながら、弟や従弟に官位を追い抜かれ、出世が遅れた人物です。
のんびりとした性格で、才覚にも恵まれず、儀式の手順を間違えるなど、仕事のできる人物ではなかったようです。
しかし、長徳2(996)年に右大臣となり、その後20年以上その地位につきました。
娘の元子を一条天皇の女御に仕立て、未来の天皇の外祖父になるチャンスを掴みますが、元子は出産時に難産で亡くなってしまいます。
顕光は、最後まで仕事よりも家柄や血筋を重視し、晩年は愛とプライドだけを手にした人物として描かれます。
彼は、2024年の大河ドラマ『光る君へ』で宮川一朗太さんが演じる、ちょっととぼけたところのある大臣として登場します。
藤原顕光は、道長の策略により左大臣の地位を奪われ、娘・延子が道長の娘の夫である敦明親王を巡って不幸な運命をたどるなど、道長との確執が深まっていきました。
延子の死後、顕光は「一夜にして白髪になった」と言われるほど悲しみに暮れたとされ、道長への恨みから陰陽師に呪詛を依頼したとも噂されています。
その後、顕光は道長に罵倒されながらも左大臣に就任、晩年には従一位にまで昇進しますが、道長の娘たちの相次ぐ死によって「悪霊左府」と呼ばれるようになりました。
特に、顕光と延子の呪詛が原因ではないかと噂され、『宇治拾遺物語』にも道長を呪詛したという話が収録されています。
顕光は道長の策略、娘の死、そして不名誉なあだ名など、多くの不幸に見舞われましたが、一方で家来への優しさも示すなど、複雑な人物像が浮かび上がります。
道長との確執や、娘たちの不幸など、顕光の人生は波乱万丈ですね。ドラマでの描写が楽しみです。
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道長に仕えながら嘲笑された藤原顕光。左大臣昇進後、道長への怨念を晴らす!娘の悲劇、呪詛…権力闘争に翻弄された悪霊左府の生涯を描く。