平安美人の謎？見た目・化粧・文化から読み解く美の基準とは？平安時代の美意識：現代との違い
平安時代の美人の秘密を解き明かす！ 現代とは異なる美意識、ぽっちゃり体型が豊かさの象徴だった？ 白塗りの理由や、歯黒めといった化粧文化、そして源氏物語における美男子像とは？ 貴族社会の美学を通して、平安美人の知られざる姿に迫る、興味深い考察。
源氏物語における美 - 想像力を掻き立てる描写
源氏の美しさは、どこから来ているの？
顔立ちだけでなく、雰囲気も重要だった
源氏物語の描写は、想像力を掻き立てるために、意図的にぼかされているんですね。
公開日:2023/12/06
✅ 丸紅ギャラリーで開催されている「源氏物語 よみがえった女房装束の美」展では、実践女子大学が5年かけて再現した「若菜下」に登場する明石の君の装束を展示しています。
✅ 展示では、明石の君の装束を実際に着用した状態に近い形で展示することで、当時の宮廷の様子をリアルに想像できるように工夫されています。
✅ 明石の君は「六条院の女楽」で琵琶を演奏する場面で、気品のある大人の女性の姿を見せており、同展ではその装束を再現することで、彼女の魅力をより深く知ることができる機会を提供しています。
さらに読む ⇒美術展ナビ出典/画像元: https://artexhibition.jp/topics/news/20231206-AEJ1732135/なるほど、物語を読み解く上で、読者の想像力がいかに重要だったのかがよくわかります。
源氏物語では、源氏の容姿は詳しく描写されていません。
絵巻のように具体的な特徴を挙げないことで、読者の想像力を掻き立てる狙いがあったと考えられます。
源氏が美しいとされるのは、彼の顔立ちだけでなく、細い首や女性的な仕草など、全体的な雰囲気に美しさを感じさせるものがあったからです。
当時の美の基準は、現代とは異なり、男性でも女性的な美しさが重要視されていた可能性があります。
源氏物語は、読者に源氏の美しさを想像させることで、物語の世界への没入感を高めていると言えるでしょう。
源氏物語の美の世界観を、より深く理解することができそうです。
平安時代の白塗りメイク - 美意識と生活環境
平安時代の白塗りメイク、なぜあんなに白かったの？
美意識と環境が理由です
白塗りの化粧は、当時の生活環境や美意識を反映しているんですね。
✅ 平安時代は、遣唐使廃止による中国模倣からの脱却と、貴族の宮廷での暮らしが独自の化粧文化を生み出した時代です。
✅ 「白い肌」が美人の代名詞となり、白粉による化粧が地位の象徴にもなりました。これは、寝殿造りの薄暗い環境での美観維持や、大陸からの影響による美意識が背景にあります。
✅ 漆黒の黒髪、十二単衣、額に描いた眉、お歯黒、頬紅など、平安時代の化粧は、後の江戸時代まで続く基礎を築き、白い肌＝美人の認識は現代まで続く日本人の共通認識となりました。
さらに読む ⇒建築照明計画株式会社出典/画像元: https://alg.jp/blog/light_make2/白い肌が美しさの象徴だった理由が、よく理解できました。
現代の美の基準とは全く違いますね。
平安時代の白塗りメイクは、現代人から見ると白すぎるように見えるかもしれませんが、当時の美意識や生活環境を考えると納得できる理由があります。
平安時代の女性は、唐の文化の影響を受け、白く美しい肌を理想としていました。
また、当時の貴族は、室内での生活が中心で、日焼けをする機会も少なかったため、白い肌は高貴さの象徴でもありました。
さらに、平安時代の住居は薄暗く、白粉を厚塗りすることで、顔色が明るく見え、美しさを際立たせる効果があったと考えられます。
平安時代の白粉は、米粉だけでなく、鉛や水銀など、現代では危険とされる成分も含まれていました。
しかし、当時の技術では、鉛の白粉の方が伸びが良く、美しく仕上がったため、広く使用されていました。
白粉の成分に驚きました！美しさへの探求心は、時代を超えて変わらないものですね。
平安時代の化粧 - 顔づくりと美の表現
平安時代の女性はどんな化粧をしてた？
白粉、紅、引眉、歯黒め
江戸時代の化粧文化との違いも、興味深いですね。
✅ 江戸時代の女性は、紅花を原料とした口紅で「笹色紅」と呼ばれる、光線の具合で色が変化する玉虫色の唇を流行らせていた。庶民は高価な紅が手に入らず、墨を塗った上から赤い紅を塗ることで笹色紅に近づけていた。
✅ 飛鳥時代から使われていた白粉は、江戸時代には水銀を原料とした「軽粉」や「鉛白粉」が登場し、特に鉛白粉は肌を白く見せる効果から多く使われていた。しかし鉛白粉は鉛中毒を引き起こす危険性があり、母親が抱っこしている子供が誤って舐めてしまうことで発症するケースもあったため、昭和には製造が禁止された。
✅ 平安時代には、口元を小さく見せるために歯を黒くする「お歯黒」が流行し、貴族から一般大衆に広がった。戦国時代には成人の印として、男性も女性もお歯黒をするようになった。お歯黒は明治頃まで残っており、現代では想像もつかないメイク方法として、過去のメイクの変遷を感じることができる。
さらに読む ⇒美容の求人・転職サイト【美プロ】出典/画像元: https://www.kenkou-job.com/plus/special/1329.html当時の化粧方法が、現代とは全く異なり、驚きました。
平安時代の女性たちの美への意識の高さを感じますね。
平安時代の女性は、白粉を水に溶かして顔に塗るリキッドファンデーションのような方法で化粧をしていました。
しかし、白粉の品質は現代のファンデーションに比べて劣っていたため、厚塗りが一般的でした。
そのため、肌荒れを防ぐために、朝は化粧をしていない状態では人前に出ないという習慣があったそうです。
平安時代の白粉を使った化粧は、現代では再現することが難しいですが、当時の文化や生活環境を理解することで、白塗りのメイクがなぜ美とされてきたのか、その理由が見えてきます。
平安時代の貴族の女性は、顔に化粧を施すことを「顔づくり」と呼び、白・赤・黒の3色を用いて、白粉、紅、引眉、歯黒めという化粧を施していました。
白粉は、白く輝く肌を演出するために使用され、特に鉛から作られたハフニが愛用されていました。
しかし、鉛毒の危険性が指摘されており、貴族の女性たちの寿命が短かった原因の一つとされています。
紅は紅花の花弁から作られた顔料で、頬紅や口紅、爪紅に使用され、白い顔に華やかさを添えていました。
引眉は、眉を全て引き抜き、眉墨で眉を描くことで、目と眉のバランスを整え、個性的な表情を演出していました。
歯黒めは、黒く染めた歯が美しいとされ、年齢を重ねた女性の象徴とされていました。
これらの化粧を通して、平安時代の女性たちは、美意識や社会的なステータスを表し、時代特有の美の基準を確立していました。
鉛白粉の危険性には驚きました。美しさの裏には、リスクもあったんですね。
平安時代の美の基準は、現代とは大きく異なり、興味深いものでした。
当時の文化や価値観を知る良い機会になりました。
💡 平安時代の美は、血縁、社会的な地位、そして個人の内面的な美しさが複合的に評価されていました。
💡 白く塗られた肌、黒い歯、引眉など、現代とは異なる化粧文化が、美の表現として存在していました。
💡 源氏物語などの文学作品は、美の基準を想像させ、物語の世界への没入感を高めました。
