平安時代の美意識とは?『源氏物語』から読み解く美男美女の条件『源氏物語』が描く美の基準と、現代との相違点
平安時代の美意識は現代と全く違う!光源氏に代表される男性美、そして「引目、鉤鼻、御樗蒲口」と呼ばれる美人の条件とは? 肖像画が同じ顔に見える理由、社会構造との関係性も明らかに。恋愛観も現代とは異なり、結婚は家柄重視。知られざる平安美の世界へ、あなたを誘います。
💡 平安時代の美男子は、現代と異なり女性的な美しさが重視され、『源氏物語』の光源氏もその象徴。
💡 平安時代の美人像は一様ではなく、絵画の表現や社会的な背景によって多様な解釈が可能。
💡 平安時代の美意識は、当時の社会構造や富の象徴と深く結びついていた。恋愛観も現代とは異なる。
本日は、平安時代の美意識について、様々な角度から掘り下げていきたいと思います。
まずは、美男像について見ていきましょう。
光源氏に見る平安時代の美男像
平安時代の美男はどんな特徴を持っていた?
優美で繊細な美しさ
平安時代の美男像は、現代の美意識とは大きく異なり、女性的な美しさが重視されていました。
光源氏の描写からも、その一端が伺えます。
公開日:2021/02/02

✅ 平安時代の美男子は、現代の基準では女性的な容姿だった可能性が高い。
✅ 「源氏物語」の主人公・光源氏は、絵巻ではぽっちゃりしたしもぶくれ顔で描かれているが、これは当時の絵巻の描き方に特徴がある。
✅ 源氏は首が細く、涙を拭う仕草も女性的であるなど、当時の美意識では女性的な美しさが重要視されていたと考えられる。
さらに読む ⇒ものがたりする平安出典/画像元: https://heianmagazine.com/literature/genjimonogatari-hikarugenji-good-looking光源氏の容姿は、当時の美意識を象徴していますね。
現代の男性的な美しさとは違い、優美で繊細な美しさが求められていたことが興味深いです。
平安時代の美意識は現代とは大きく異なり、光源氏の容姿は当時の美男の象徴でした。
光源氏は、顔の造形だけでなく、立ち居振る舞い、身のこなし、内面的な魅力も含めて評価され、現代的な男性的な美しさとは異なる、優美で繊細な美しさを持っていたと考えられています。
平安時代の男性も、現代と同様に多様な美意識を持っていたことが、源氏物語などからわかります。
なるほど、当時の美男像は、現代とはかなり違いますね! 光源氏の描かれ方から、当時の美意識を具体的に知ることができて面白いです。
平安時代の美人像:普遍性と多様性
平安美人、みんな同じ顔に見えるのはなぜ?
画風や思想が影響
平安時代の女性の美しさには、多様性があったと考えられます。
絵画表現の解釈や、社会的な背景によって、その美しさは多面的に理解できます。

✅ 平安時代の女性の絵画では、多くの女性が同じような顔で描かれているため、当時の美的基準がそうだったと考えがちですが、実際はそうではない可能性があります。
✅ 古典エッセイストの大塚ひかり氏によれば、高貴な人は感情を表に出すことをはしたないと考えていたため、絵画では常に冷静な表情で描かれたという説があります。
✅ 国文学者の三田村雅子教授は、絵画の無表情さを「妄想装置」と呼び、鑑賞者が自由に顔立ちや表情を想像できるように意図的に無表情に描かれたと解釈しています。
さらに読む ⇒日本文化と今をつなぐウェブマガジン出典/画像元: https://mag.japaaan.com/archives/161846絵画の無表情さには、様々な解釈があるんですね。
単に同じ顔で描かれていたのではなく、見る人の想像力を掻き立てる意図があったというのは面白いですね。
平安時代の美人は、『引目、鉤鼻、御樗蒲口』といった特徴を持つとされています。
しかし、当時の女性像は一概にこれらの特徴で括ることはできません。
平安時代の女性の肖像画がみんな同じ顔に見える理由は、高貴な人は感情を表に出せないという説や、鑑賞者に好きな顔立ちや表情を想像させるという説など、様々な解釈があります。
絵の顔がみんな同じなのは、そういう理由があったんですね! 見る人の想像力に任せるって、面白い表現方法ですね。
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平安美人の秘密!貴族の美意識と社会構造の関係を紐解く。恋愛観や体型の美徳も現代とは大違い!