縄文時代の暮らしとは?:三内丸山遺跡と世界遺産から読み解く(?)三内丸山遺跡と北海道・北東北の縄文遺跡群に見る、縄文時代の多様性
1万年以上続いた縄文時代。土器、ムラ、交易が花開いた時代を最新の研究で紐解く!三内丸山遺跡をはじめとする貴重な遺跡群から、定住生活、食生活、精神文化まで、多様性に富んだ縄文人の暮らしが見えてくる。世界遺産にも登録され、その魅力が再認識される縄文時代。新たな発見を通して、私たちが持つ縄文時代のイメージを覆す、驚きと発見に満ちた世界へ。
💡 三内丸山遺跡は、縄文時代の巨大集落跡で、その暮らしぶりを知る上で重要な場所です。
💡 北海道・北東北の縄文遺跡群は世界遺産に登録され、縄文時代の豊かな精神文化を伝えています。
💡 最近の発掘調査により、縄文時代は多様で豊かな社会であったことが明らかになってきました。
縄文時代の生活や文化について、皆様と一緒に見ていきましょう。
まず、縄文時代について簡単にまとめます。
縄文時代の暮らし:三内丸山遺跡から見える生活様式
縄文時代の人々の食生活は?
植物、動物、魚介類
縄文時代の生活様式や文化を理解するためには、三内丸山遺跡について知ることが不可欠です。

✅ 三内丸山遺跡は、青森市にある縄文時代前期から中期にかけての巨大集落遺跡であり、約1700年間の定住生活が行われていたことが判明しています。
✅ 発掘調査により、大型掘立柱建物、竪穴住居跡、盛土などが発見され、縄文人の計画的な村づくりや自然資源の利用といった、それまでの定説を覆す発見がなされています。
✅ 三内丸山遺跡は、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成遺産の一つとして、2021年に世界遺産に登録されました。
さらに読む ⇒世界見聞録–旅した者にしか見えない景色がある出典/画像元: https://media.eurasia.co.jp/japan/sannai-maruyama三内丸山遺跡から、縄文人の計画性や自然との共生が明らかになったことは、非常に興味深いですね。
約1万2千年前から約2300年前まで続いた縄文時代は、土器や矢の使用、ムラの形成が見られた時代です。
三内丸山遺跡からは、縄文人の食生活、交易、集落の構造などが明らかになってきました。
縄文人の食生活は、クリやクルミなどの植物を主体とし、イモ類、山菜、マメ類も食べていました。
動物ではシカやイノシシに加え、ムササビやノウサギも捕獲していました。
魚介類はマダイ、ブリ、サバ、ヒラメ、ニシン、サメなどが豊富に食べられていました。
調理法は煮る方が焼くよりも多かったようです。
三内丸山遺跡には、ヒスイ、黒曜石、琥珀、アスファルトなどの交易品が見つかっています。
これらの物は、舟を使って遠方から運ばれてきたもので、縄文時代中期頃から活発な交易が行われていたことを示しています。
三内丸山遺跡の集落は、約42ヘクタールという広大な面積を占めていました。
集落は、豊かな森と穏やかな海に恵まれた場所に位置しており、食料を安定的に得ることができました。
集落内には、住居、墓地、集会所、貯蔵施設、ゴミ捨て場など、それぞれの役割を持つ区域が設けられていました。
縄文時代は、ゴミを単なる不要物としてではなく、再び豊かさをもたらすものとして捉えていたと考えられます。
ゴミ捨て場は、祭りを行う場所としても利用されていた可能性があり、縄文の人々の自然への畏敬の念がうかがえます。
三内丸山遺跡の発掘調査で、縄文時代の多様な食生活や交易が明らかになり、とても興味深いです。縄文時代への理解が深まりました。
世界文化遺産:北海道・北東北の縄文遺跡群
北海道・北東北の縄文遺跡群は何を物語る?
縄文人の暮らしと文化
世界遺産に登録された北海道・北東北の縄文遺跡群について、詳しく見ていきましょう。
公開日:2021/07/27

✅ 2021年7月27日、ユネスコ世界遺産委員会は「北海道・北東北の縄文遺跡群」を世界文化遺産に登録することを決定しました。
✅ 登録されたのは、北海道、青森、岩手、秋田の3県に点在する17遺跡で、三内丸山遺跡、大湯環状列石、大平山元遺跡、北黄金貝塚など、縄文時代の様々な年代の遺跡が含まれます。
✅ 縄文時代は、農耕や牧畜が一般的であった他の地域とは異なり、狩猟・採集・漁労を基盤とした定住生活が特徴で、土偶や墓など、複雑で豊かな精神文化も発展したことが、世界遺産登録の大きな理由となっています。
さらに読む ⇒朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト出典/画像元: https://www.asahi.com/articles/ASP7W520WP7MUCVL02B.html世界遺産に登録されるほどの価値がある縄文文化、その多様性と普遍性に感動します。
北海道・北東北の縄文遺跡群は、1万年以上にわたって狩猟・漁労・採集を中心とした生活を営み、独自の精神文化を育んだ縄文人の暮らしを今に伝える貴重な文化遺産です。
2021年に世界文化遺産に登録され、その顕著な普遍的価値が認められました。
この遺跡群は、山地、丘陵、平地、低地、内湾、湖、水量豊富な河川など、多様な地理環境に立地し、豊かな自然環境と人々の生活様式が密接に関わっていたことを示しています。
縄文時代の始まりから晩期までの約15000年間、人々は気候変動や海進・海退といった環境変化に適応しながら、定住を続け、独自の精神文化を育みました。
集落、墓地、祭祀場、環状列石など、多様な遺跡が残されており、これらの遺構は、縄文時代の社会構造、信仰、生活様式、そして、豊かな精神世界を理解する上で重要な手がかりとなっています。
世界遺産に登録された縄文遺跡群は、まさに日本が誇るべき宝ですね。縄文時代の生活の様子を想像するとワクワクします。
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青森県三内丸山遺跡、縄文文化の巨大な姿!広大なムラ跡から、多様な暮らしが明らかに。クリ栽培、交易、都市的景観… 縄文時代のイメージが変わる!