ナチス略奪美術品、返還の行方と歴史的背景とは?ナチス略奪美術品の返還と歴史的背景
ナチスによる美術品略奪の闇を暴く!第二次世界大戦中、略奪された名画「聖母子」がポーランドに返還。未回収の美術品は未だ多数、その行方を追う。ヒトラーの野望、イデオロギー、経済的利益…様々な動機が絡み合い、60万点もの美術品が奪われた。過去の悲劇を風化させず、真相解明と返還を求める活動は続く。
💡 ナチスが略奪した美術品の返還事例として、ポーランドに返還された絵画「聖母子」を紹介します。
💡 ナチス略奪画の代表例として、グルリット・コレクションと、その問題点について解説します。
💡 ナチスによる美術品略奪の動機と規模を明らかにし、歴史的背景を考察します。
本日はナチスによる美術品略奪と、その後の返還に関する記事をお届けいたします。
それでは、まずこの記事でわかることの要点をまとめたものをご覧ください。
美術品の返還:戦争の傷跡を癒す試み
ナチスが略奪した「聖母子」はどのように返還された?
オークションで発見、交渉により返還
本章では、ポーランドに返還された絵画「聖母子」の事例を通して、美術品返還の現状と、その意義について掘り下げていきます。
公開日:2023/05/31

✅ 第二次世界大戦中にポーランドからドイツによって持ち出された16~17世紀の絵画「聖母子」が日本国内のオークションで発見され、ポーランドに無償で返還されました。
✅ この絵画は、イタリア人画家アレッサンドロ・トゥルキの作品で、戦時中の1940年にポーランド南部の邸宅からドイツが略奪したものと判明しました。
✅ ポーランドは世界中のオークションで遺失品を探し、返還を求める事業を続けており、今回の返還は日本とポーランドの友好関係の象徴となる重要な出来事です。
さらに読む ⇒朝日新聞デジタル:朝日新聞社のニュースサイト出典/画像元: https://www.asahi.com/articles/ASR506CW4R50UHBI00Q.html絵画の返還は、日本とポーランドの友好関係を示す象徴的な出来事となりました。
戦争によって失われた美術品を取り戻す活動は、今後も重要性を増していくでしょう。
第二次世界大戦中、ナチス・ドイツは、ポーランドから16世紀のイタリア人画家アレッサンドロ・トゥルキの絵画「聖母子」を略奪しました。
この絵画は、1990年代に米ニューヨークのオークションに出品されたことで再発見され、ポーランド当局はオークションハウスと所有者と交渉し、返還に合意しました。
5月31日に東京で正式な返還式が行われました。
ポーランドはこれまでに600点の略奪品を取り戻しましたが、戦争で失われた約6万6000点が未回収であり、返還を求めるキャンペーンを継続しています。
専門家は、略奪美術品の相続人がその経緯を知らずに売却しようとすることで、今後多くの美術品が発見される可能性があると指摘しています。
今回の絵画返還は、歴史的な背景を考えると非常に意義深いですね。日本国内で略奪品が発見されたことにも驚きました。今後の調査にも期待したいです。
美術商の影:グルリットとナチスの美術品略奪
コーネリウス・グルリットはナチスの何をしていた?
美術商
続いて、ナチス略奪画の代表例であるグルリット・コレクションについて解説します。
美術品略奪の闇の部分に迫ります。
公開日:2024/01/24

✅ スイスのベルン美術館は、故グルリット氏から大量のナチス略奪画を遺贈された。
✅ グルリット氏との関係はなかったベルン美術館は、遺贈に衝撃を受け、「なぜ私たちが?」と困惑している。
✅ 美術館館長はコレクションの引き取りに前向きだが、美術館は合法的な所有権確認や倫理的な問題など、多くの課題に直面している。
さらに読む ⇒出典/画像元: https://www.swissinfo.ch/jpn/%E6%96%87%E5%8C%96/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%88%E6%B0%8F%E3%81%AE%E3%83%8A%E3%83%81%E3%82%B9%E7%95%A5%E5%A5%AA%E7%B5%B5%E7%94%BB-%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%B3%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8%E3%81%AF%E5%8F%97%E3%81%91%E5%8F%96%E3%82%8B%E3%81%8B/41126772グルリットの活動は、ナチスによる組織的な美術品略奪の実態を浮き彫りにしました。
美術品の所有権や倫理的な問題は、今後も議論を呼ぶでしょう。
コーネリウス・グルリットは、ナチス政権下で美術商として活動し、ドイツ国内の美術館から押収された作品だけでなく、個人から略奪された作品も国外に売却していました。
彼は、ナチスの「リンツ特命」と呼ばれる総統美術館準備のための作品選考委員に任命され、パリでは美術商から「普通に」購入したと主張していましたが、戦後になってから、彼が偽証を行っていたことが明らかになっています。
グルリットの活動は、ナチス政権による美術品略奪の実態の一端を明らかにするものです。
グルリット氏のコレクションは、一体どれだけの価値があったのでしょうか? 本当に恐ろしいのは、このような略奪が組織的に行われていたということですね。
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ナチスによる美術品略奪、60万点超の闇。ヒトラーの野望、イデオロギー、経済的利益…失われた名画はいま。返還への動き、歴史の傷跡をいま見つめ直す。