啄木と賢治の青春時代：二人の天才が過ごした盛岡中学校時代とは？盛岡中学校と文学青年たち
文学青年・石川啄木と賢治。盛岡中学で青春を謳歌し、自然と近代化に触発された二人の足跡を辿る。啄木の短歌「不来方のお城の草に寝ころびて…」は、その感性を象徴。尾崎豊の楽曲にも影響を与えた、思春期の心の機微を捉えた表現。自然主義文学、啄木の「食ふべき詩」とは？啄木の革新的な短歌、その魅力を紐解き、時代を超えた共感を読み解く。
自然主義文学の隆盛
自然主義文学、その本質は？
自然科学に基づいた文学
自然主義文学が、どのようにして日本の文壇に影響を与えたのか。
その背景を探ります。
✅ エミール・ゾラは「自然主義文学」を提唱したフランスの作家であり、彼の作品は現実世界を科学的に観察し分析したものでした。
✅ ゾラは自然主義文学において、虚偽を排除し、科学的な分析に基づいたリアルな描写を重視しました。
✅ ゾラはロマン主義的な要素、特に荒唐無稽な出来事や非現実的な描写を排し、現実的で真実味のある物語を追求しました。
さらに読む ⇒【日々是読書】僧侶上田隆弘の仏教ブログ出典/画像元: https://shakuryukou.com/2020/07/13/dostoyevsky81/自然主義文学の持つ、現実をありのままに描くという姿勢と、その限界について学ぶことができました。
自然主義文学は、19世紀末フランスのエミール・ゾラが提唱した、自然科学に基づいた文学です。
自然をありのままに描き、美化を排し、進化論や医学の影響を受け、人間を自然法則に支配された存在として捉えました。
日本の自然主義文学は、明治後期に広がり、坪内逍遥の写実主義に続き、小杉天外、永井荷風、島崎藤村、田山花袋らの作品が生まれました。
島村抱月や長谷川天渓は「早稲田文学」で評論活動を行い、自然主義文学の可能性を広げました。
しかし、内面描写に偏り、社会性や芸術性で限界も見られました。
エミール・ゾラの自然主義文学、興味深いですね。日本への影響や、当時の社会背景との関係性についても、もっと詳しく知りたいです。
啄木と自然主義短歌
啄木は自然主義をどのように捉えていた？
日常に根ざした詩
自然主義短歌という新たな表現方法が、どのように生まれたのか。
啄木の作品を通して紐解きます。
公開日:2020/05/21
✅ 平田オリザ氏は、若山牧水の短歌が文学史的には自然主義に位置づけられるものの、社会問題を扱う作品が少ないにもかかわらず、現代の若者にも訴える力を持つと主張しています。
✅ 牧水の短歌は、日本の自然を愛した歌でありながらも、変わりゆく国のあり方を嘆く魂の叫びでもあると解釈し、明治から大正へと続く近代文学の曲がり角に位置する文学者であると論じています。
✅ また、牧水研究者である伊藤一彦氏との交流について触れ、俳優の堺雅人さんが伊藤氏から演劇、芸術への影響を受けたエピソードを紹介しています。
さらに読む ⇒好書好日｜出典/画像元: https://book.asahi.com/article/13382643啄木が自然主義を「食ふべき詩」と表現したことに、彼の強い決意と、その文学観が表れているように感じます。
日露戦争後は、自然主義の思想が歌壇にも波及し、明治41年頃から大正3年頃までが自然主義短歌の時代と言われています。
若山牧水、前田夕暮、啄木、吉井勇、北原白秋などの歌人が活躍しました。
啄木は、自然主義を「食ふべき詩」と表現し、詩を日常の生活に根ざした存在として位置付け、現実生活から生まれた哲学、すなわち「いかに生くべきか」という課題を探求しました。
啄木は、自然主義を単に文芸上の問題と捉えるのではなく、自己、社会、国家と結びつけ、改善を訴えました。
彼の作品は、日常生活を率直に表現した点で自然主義の代表とされています。
自然主義短歌、そして啄木の短歌が、現代にも訴える力を持つというのは、とても興味深いですね。若山牧水との比較も面白いです。
啄木の歌「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」
啄木が歌に込めた「十五の心」とは？
空に吸い込まれるような感覚
啄木の代表作を通して、彼の内面世界と、その時代背景を読み解きます。
公開日:2022/06/03
✅ 石川啄木の短歌「不来方のお城の草に寝ころびて 空に吸はれし 十五の心」は、盛岡城に生えている草の上に寝転び、空を見上げている15歳の「私」の心を描いています。
✅ この歌は、隠喩法と倒置法を用い、「空に吸い取られてしまったような心」という比喩的な表現で、当時の啄木が抱えていた絶望感や心の不安定さを表現しています。
✅ 啄木の歌は、彼の生きた時代背景や内面的な葛藤を反映しており、同じく青春時代を歌った尾崎豊の「卒業」「十五の夜」などの楽曲にも影響を与えていると考えられます。
さらに読む ⇒あしかレビュー出典/画像元: https://asikareview.com/2022/06/takuboku_kozukata/啄木の短歌から、当時の若者の心の揺らぎが伝わってきますね。
「空に吸はれし」という表現が、とても印象的でした。
尾崎豊との共通点も興味深いです。
石川啄木の歌「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」は、盛岡城の草むらに寝転び、空を見上げている15歳の少年の心を、空に吸い込まれるように表現した歌です。
この歌には、隠喩法と倒置法が使われており、特に「空に吸はれし」という表現は、少年の心の状態を象徴的に示しています。
この歌は、啄木が自身の中学時代を回想した連作「煙」の一首で、学業に苦しむ少年の心情が表現されています。
尾崎豊の「卒業」や「十五の夜」といった曲は、この歌の影響を受けていると指摘されています。
尾崎豊もまた、青春時代に悩みを抱え、それを歌にして表現したことから、啄木との共通点が見られます。
両者とも、青春時代の苦悩や葛藤を率直な言葉で表現することで、多くの人々に共感を与えてきました。
啄木は、自身の経験を投影した歌を通して、当時の若者たちの心の内面を描き出し、その独特な感性で人々の共感を呼び起こしたと言えるでしょう。
一方、尾崎豊もまた、自身の青春時代を反映した曲を通して、現代社会における若者の不安や葛藤を表現し、多くの人の心を揺さぶりました。
このように、啄木と尾崎豊は、時代を超えて、青春時代の心の痛みや葛藤を歌にして表現し、多くの人々に共感を与えてきたと言えるでしょう。
石川啄木の短歌「不来方のお城の草に寝転びて空に吸はれし十五の心」は、盛岡城跡の草に寝転んで空を眺めていた15歳の頃の心を、空に吸い込まれるような感覚で表現した作品です。
この歌は、句切れがなく、体言止めを用いることで、思春期の心の揺らぎや愁いを、一途な思いで表現しています。
また、「空に吸はれし」という表現は、隠喩を用いて、思春期の心の繊細さと、空虚感と希望が入り混じった複雑な感情を描き出しています。
啄木は、この歌で、自身の心の状態を、風景と重ね合わせて表現することで、読者に深い共感を呼び起こしています。
この歌は、啄木の繊細な感性と、思春期の心の切なさを見事に表現した名歌として、多くの人々に愛され続けています。
石川啄木の短歌の特徴は大きく３つあります。
一つ目は「三行書き」で、従来の短歌とは異なり、一行で字空けせずに書かれるのではなく、3行に分けて書かれます。
二つ目は「口語体」で、文語体の中に口語を多く取り入れ、当時としては画期的な手法でした。
そして三つ目は「生活詠」で、日常生活の出来事や感情を題材とした歌が多く、啄木の心の内面がストレートに表現されています。
啄木と尾崎豊、時代は違えど、どちらも青春時代の葛藤を歌にしたんですね。同じように共感する人が多いのは、きっと普遍的なテーマだからでしょうね。
本日は、石川啄木と宮沢賢治の青春時代、そして啄木の短歌を通して、明治の文学と時代背景を解説しました。
いかがだったでしょうか？。
💡 石川啄木と宮沢賢治の青春時代、それぞれの文学作品への影響を考察しました。
💡 自然主義文学と啄木の短歌に見る、明治の文壇の潮流と表現方法についてまとめました。
💡 石川啄木の代表作「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五の心」を通して、彼の内面世界を紐解きました。
