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光源氏の美しさとは?『源氏物語』にみる美意識の変遷とは?『源氏物語』における光源氏の多面的な魅力

『源氏物語』の光源氏は、美貌と才能で女性を魅了する一方、数々の不義理も働く二面性を持つ。本文では描写を避けられ、絵巻では個性が見えづらい光源氏。彼の美しさの本質は?義母との密通、若紫を理想の女性に育てるなど、現代の倫理観では非難される行動を通して、紫式部は人間の業や当時の美意識を描き出す。読者は、多面的な光源氏を通して美しさの本質を考察する。

光源氏の美しさとは?『源氏物語』にみる美意識の変遷とは?『源氏物語』における光源氏の多面的な魅力

📘 この記事で分かる事!

💡 光源氏の美しさは、本文では詳細な描写を避けられ、読者の想像力に委ねられています。

💡 絵巻では、当時の描写技法の影響もあり、光源氏の顔の特定は難しいという点が興味深いです。

💡 光源氏は「クズ」と評されるような側面も持ち合わせていますが、それもまた魅力の一つです。

今回は、その『源氏物語』に描かれた光源氏の美しさについて、本文と絵巻の違い、そして紫式部の意図を探っていきます。

美しき光源氏:その姿と影

源氏の美しさ、本文と絵巻でどう違う?想像力へのアプローチは?

本文は性的描写を避け、読者の想像力を刺激。

『源氏物語』は、11世紀初頭に成立した日本の古典文学です。

光源氏の生涯を中心に、多くの登場人物たちの恋愛や人生を描いています。

紫式部の世界: 源氏物語の奥深さを探る│学習塾PLANT
紫式部の世界: 源氏物語の奥深さを探る│学習塾PLANT

✅ 源氏物語は、紫式部によって11世紀初頭に書かれた日本の古典文学で、光源氏とその周囲の人々の愛と人生を描いています。

✅ 54の「帖」から構成され、各帖が独立したエピソードを持ちつつ全体として一つの物語を形成し、繊細な表現や人間心理描写が特徴です。

✅ 現代の文学や芸術にも影響を与え続けており、美しい言葉遣いや人間模様を通して、今もなお多くの人々に愛されています。

さらに読む ⇒紫式部の世界: 源氏物語の奥深さを探る│学習塾PLANT出典/画像元: https://plantjuku.com/imafukugamou/%E7%B4%AB%E5%BC%8F%E9%83%A8%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C-%E6%BA%90%E6%B0%8F%E7%89%A9%E8%AA%9E%E3%81%AE%E5%A5%A5%E6%B7%B1%E3%81%95%E3%82%92%E6%8E%A2%E3%82%8B/

光源氏の美しさは、具体的な描写を避けることで、読者の想像力を掻き立てることに成功していますね。

その時代における美しさの基準を垣間見ることができます。

『源氏物語』の主人公、光源氏は、類まれな美貌と才能で多くの女性を魅了します。

しかし、その美しさの描写は、本文と絵巻で異なるアプローチがなされています。

本文では、光源氏の容姿に関する具体的な描写は少なく、首が細いことなど、女性的な美しさが強調されています

紫式部は、詳細な描写を避けることで、読者の想像力を掻き立て、美しさの基準が男性的な力強さではなく、優雅さや女性的な要素にあったことを示唆しています。

なるほど、本文と絵巻で表現方法が違うのは面白いですね。当時の人々の美意識を比較できるのは興味深いです。

絵巻に描かれた光源氏:写実と象徴

光源氏の顔、絵巻と阿弥陀仏、どっちが手がかり?

阿弥陀仏が光源氏のイメージに近い。

物語は絵巻としても表現され、その視覚的な表現は、本文とは異なるアプローチで光源氏を描き出しています。

源氏物語絵巻、藤原隆能 著他、徳川美術館(国立国会図書館)
源氏物語絵巻、藤原隆能 著他、徳川美術館(国立国会図書館)

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絵巻では、顔の区別が難しいというのは、当時の技術的な制約もあったのかもしれませんね。

現代の我々とは美しさの捉え方も違うのでしょうか。

一方、絵巻では、当時の描写技法である「引目鉤鼻」の影響で、人物の顔の区別が難しく、光源氏も他の人物と同様の顔で描かれています。

藤原隆能作とされる『源氏物語絵巻』にも、光源氏が描かれていますが、個性を特定することは難しい。

清涼寺の宝物館にある、源融の顔をモデルとした阿弥陀仏は丸顔であり、光源氏のイメージと合致すると言われています。

しかし、全体として、光源氏の顔の詳細は『源氏物語』からは読み取れません。

絵巻で光源氏の顔が特定できないというのは、ちょっと意外でした。絵巻も見てみたいですね!

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