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広島原爆と記憶の風化?書籍『広島第二県女二年西組』を通して考える原爆投下から80年、被爆者の語り継ぐ記憶と書籍の役割

1945年、広島に原爆が投下され、著者は奇跡的に生還。原爆で命を落とした級友たちの「生きた証」を残すため、10年の歳月をかけ遺族を探し、記録した。本書は、被爆した級友たちの日常と最期を描き、日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。戦争の悲惨さを伝え、核兵器廃絶への願いを込めて、今も読み継がれる。若い世代へ、平和の大切さを訴える、魂の記録。

広島原爆と記憶の風化?書籍『広島第二県女二年西組』を通して考える原爆投下から80年、被爆者の語り継ぐ記憶と書籍の役割

📘 この記事で分かる事!

💡 被爆者の田戸サヨ子さんの語り部活動を通して、核兵器廃絶への願いと、記憶の継承の重要性を考察します。

💡 書籍『広島第二県女二年西組』が持つ、原爆の悲劇を伝える力と、その評価、そして書籍が持つ役割について解説します。

💡 平和教育の現状と課題、そして未来への希望について触れ、私たちができることを考えます。

本日は、広島原爆をテーマにした書籍『広島第二県女二年西組』を通して、被爆者の体験と、記憶の風化について掘り下げていきます。

原爆投下、そして残された者たちの苦悩

広島原爆、奇跡的に生き残った著者の運命は?

級友を失い、生きる意味を模索。

広島原爆の被爆体験を語り継ぐ田戸サヨ子さんの姿を通して、被爆者の苦悩と、語り部としての活動の重要性を紐解きます。

原爆投下から80年。田戸サヨ子「水を欲しがる人を見捨てた罪悪感から、45年被爆者申請をしなかった。今は命ある限り、原爆の恐ろしさを伝えたい」

公開日:2025/08/06

原爆投下から80年。田戸サヨ子「水を欲しがる人を見捨てた罪悪感から、45年被爆者申請をしなかった。今は命ある限り、原爆の恐ろしさを伝えたい」

✅ 被爆者の田戸サヨ子さんは、80年前の広島原爆投下で被爆し、94歳になった今も語り部として活動している。

✅ 長い間被爆体験を語ることを避けていたが、罪悪感や使命感から45年後に被爆者健康手帳を申請し、学校などで語り部活動を開始した。

✅ 核兵器廃絶への問いかけに対し、自身の経験を伝え続けることが重要だと考え、体力が続く限り語り部活動を続ける決意をしている。

さらに読む ⇒au Webポータル出典/画像元: https://article.auone.jp/detail/1/2/2/196_2_r_20250806_1754435707529289

田戸サヨ子さんの、罪悪感や使命感から語り部活動を始めたというお話に胸が締め付けられます。

核兵器廃絶への強い願いを感じます。

1945年8月6日、広島に原子爆弾が投下された。

この日、著者は体調不良で学校を欠席し、奇跡的に生き残った。

しかし、爆心地からわずか数百メートルの場所にいた級友たちは、無慈悲にも命を奪われた。

著者は、その衝撃と悲しみの中で、生き残った自分に何ができるのかを模索し始めた。

生き残った自分に何ができるのか模索する姿は、本当に尊いですね。核兵器の恐ろしさを後世に伝える責任を感じます。

10年の歳月をかけた記録、書籍としての刊行

原爆死した級友の記録、何年かけて完成?

10年の歳月をかけて完成

10年の歳月をかけ、原爆で亡くなった級友たちの記録をまとめた書籍『広島第二県女二年西組』の制作過程に迫ります。

ヒロシマの惨禍を風化させてはならない 『広島第二県女二年西組』関千枝子さん寄稿(前編)

公開日:2021/03/10

ヒロシマの惨禍を風化させてはならない 『広島第二県女二年西組』関千枝子さん寄稿(前編)

✅ 著書『広島第二県女二年西組――原爆で死んだ級友たち』が六刷となり、核兵器廃絶への関心が高まる一方で戦争や原爆に関する風化が進んでいる現状に危機感を抱いている。

✅ 作者は、原爆で亡くなったクラスメイトたちの遺族への取材を基に執筆し、25年ぶりの訂正を行った。欠席者数の誤りを修正し、被爆者である藤井秀子さんの消息が判明した奇跡的な再会についても触れている。

✅ 広島への修学旅行の減少や、慰霊碑の存在を知らない人がいることなどから、原爆に関する記憶の風化を痛感し、本書を中高生に読んでもらい、原爆の実相を知ってほしいと願っている。

さらに読む ⇒好書好日|Good Life With Books出典/画像元: https://book.asahi.com/jinbun/article/14231050

25年ぶりの訂正や、藤井秀子さんとの再会など、書籍に込められた思いが伝わってきます。

記憶を風化させないという強い意志を感じます。

著者は、原爆で亡くなった級友たちの「生きた証」を残すため、10年の歳月をかけてクラス全員の遺族を探し出し、話を聞き、記録をまとめる決意をした。

その結果、1988年6月28日に筑摩書房から『広島第二県女二年西組――原爆で死んだ級友たち』が出版された。

本書は、被爆前後の級友たちの姿、壮絶な最期、そして、彼女たちを取り巻く人々の人間ドラマを描き出し、日本エッセイスト・クラブ賞も受賞するなど高い評価を得た。

10年の歳月をかけて遺族の方々を探し出したという話に、ただただ頭が下がります。書籍を通じて、多くの方に知ってほしいですね。

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原爆が奪った日常を鮮やかに描く記録。戦争を知らない世代へ、平和の尊さを伝える。今も読み継がれる、核廃絶への願いを込めた一冊。