即身仏と失われた日本の美:信仰と文化、未来への祈り(?)山形、琵琶湖、そして失われた日本の姿
湯殿山の即身仏、それは生きたまま仏となった姿。信仰と現実の狭間で、彼らは何を求めたのか? 自然との調和を重んじた前近代日本人の精神性、そして、現代人が忘れがちな心の豊かさを探る。比良八講に込められた、湖と山への感謝と未来への願い。時代を超え、今も響く、そのメッセージとは?
💡 即身仏は、自らの意志で厳しい修行を行い、入定した僧侶の遺体。信仰と文化の象徴。
💡 幕末・明治初期の日本、西洋化の中で失われた日本の美しさ。過去の文化遺産に目を向ける。
💡 自然との共生を目指す伝統構法。持続可能な暮らしと未来への繋がり。
本日は、即身仏、江戸時代の美しさ、伝統構法、比良八講を通して、日本の文化と精神性について深く掘り下げていきます。
即身仏と信仰:山岳信仰の深奥
即身仏、その真実とは?信仰と現実のギャップをどう見る?
死後の加工が判明。土中入定は伝承。
山形を中心に、即身仏の歴史と文化的価値について解説します。
特に、湯殿山信仰と即身仏の関係性、そしてその背景にある人々の信仰心に焦点を当てていきます。
公開日:2025/01/28

✅ 即身仏は、自らの意志で厳しい修行を行い、肉体を変性させて入定した僧侶の遺体であり、ミイラとは異なり、腐敗を防ぐ目的で特別な処置が施されている。
✅ 山形県には多くの即身仏が安置されており、特に湯殿山信仰が深く、注連寺や瀧水寺大日坊など、複数の寺院で即身仏を拝観できる。
✅ 湯殿山注連寺には鉄門海上人の即身仏が安置され、ミシュランガイドで星を獲得するなど、文化的価値も高く評価されている。
さらに読む ⇒Home出典/画像元: https://jp.neft.asia/archives/21609即身仏は、単なる遺体ではなく、信仰の結晶として、今も人々の心に深く刻まれています。
歴史や文化的な価値も高く評価されており、その存在は非常に興味深いです。
湯殿山信仰の拠点寺院に安置される即身仏は、南北朝時代から信仰の対象となり、その起源は江戸時代、湯殿山信仰隆盛期に遡ります。
真言宗と天台宗の対立の中で、布教活動を行うために厳しい修行を積んだ一世行者たちが、生きたまま土中に埋められる「土中入定」という方法で即身仏となったと伝えられてきました。
特に山形県の庄内地方には多くの即身仏が安置され、そこには人々の深い信仰がありました。
しかし、1960年代の調査により、実際には死後に人工的な加工が施されていたことが判明し、土中入定はあくまで伝承であったことが明らかになりました。
即身仏は、僧侶とは異なり、修験者と同様に髪を伸ばし、結袈裟を身につけない特徴があります。
湯殿山の即身仏の中で最も知られる鉄門海上人は、社会事業にも貢献し、民衆の支持を集め、東北各地や蝦夷地で布教活動を行いました。
即身仏の存在は、信仰と現実のギャップを示しており、その背景には様々な側面からの考察が必要とされています。
興味深いですね。即身仏が単なるミイラとは異なる、特別な処置が施されているという点に、強い興味を惹かれました。山形県には多くの即身仏が安置されているという事なので、いつか訪れてみたいです。
失われた楽園:幕末・明治初期の幸福な日本
幕末の日本人が「地上天国」と評された理由は?
心の豊かさ、自然への感謝、楽観的な暮らし。
渡辺京二氏の著書「逝きし世の面影」を通じて、幕末・明治初期の日本と現代との価値観の違いを探求し、失われた日本の美しさを考察します。
公開日:2021/08/26

✅ 著者は、江戸文明(徳川文明)の滅亡を嘆き、かつての日本の美しさ(素朴さ、貧困の中の豊かさ)が失われたことを哀惜している。
✅ 明治維新後の日本の欧米化を残念がる外国人の視点を紹介し、彼らが日本の港町や郊外の景観に魅了された様子を記述。当時の日本人が気づかなかった美しさを指摘している。
✅ 渡辺京二の著書を通して、過去の日本の文化遺産が形骸化し、真の文明が滅びたことへの深い悲しみを表現。現代の文化継承に対する安易な肯定を批判している。
さらに読む ⇒松岡正剛の千夜千冊出典/画像元: https://1000ya.isis.ne.jp/1203.html明治維新後、日本は急速に西洋化を進めましたが、失われたものも多くありました。
かつての日本の美しさ、素朴さ、そして人々の心の豊かさ。
それらは、現代社会では忘れられがちな大切なものなのかもしれません。
伝統構法の背景にある前近代の日本人の世界観を探求する上で、渡辺京二著「逝きし世の面影」は示唆に富んでいます。
幕末・明治初期の日本を訪れた外国人は、当時の日本人を「地上で天国」のような国に住み、親切で楽天的、物質的にも豊かだと評しました。
彼らは、現代人が失った心の豊かさ、本当の幸福な暮らしを体現していたのです。
衣食住は自然からの恵みで成り立ち、自然への感謝と共に生きる暮らし。
人間は自然の一部でありながら、自我を持ち、自然を改変する力を持つという、このアンビバレンスな関係性が、伝統構法の背後にある世界観を理解する上で非常に重要になります。
渡辺京二さんの著書は、日本の文化や歴史を深く知る上で、とても参考になりますよね。明治維新によって、日本は大きく変わりましたが、同時に失われたものもあるという視点も、とても大切だと思います。
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自然と共生した日本の姿、比良八講。湖と山の恵みに感謝し、未来へ繋ぐ祈り。箱崎文応大僧正の願いが、今も息づく。