戦没者慰霊事業とは?追悼式典から遺骨収集、平和への願いを紐解く旅は続く?戦没者を追悼し、平和を願う日本の取り組み
戦争の記憶を風化させない。日本は、戦没者を追悼し、平和を願う慰霊事業を推進。全国戦没者追悼式や海外での遺骨収集を通じて、310万人の霊を慰めます。天皇陛下の深い反省の言葉と共に、遺族のケア、未収容遺骨の収集を強化。未来へ平和の尊さを伝える、日本の取り組みを紹介します。
💡 毎年8月15日に行われる全国戦没者追悼式典について解説します。
💡 海外での遺骨収集事業と、その法整備について説明します。
💡 フィリピンでの慰霊活動と、地方自治体の取り組みを紹介します。
この後、戦没者慰霊事業の具体的な内容について、章ごとに詳しく見ていきましょう。
戦没者慰霊事業の始まりと全国戦没者追悼式
戦没者追悼式、何をする式典?平和への想いを新たに?
戦没者の追悼と、平和への誓いを新たにする式典。
戦没者慰霊事業は、戦没者を追悼し、平和を祈る重要な活動です。
その始まりと、毎年8月15日に日本武道館で行われる全国戦没者追悼式について解説します。

✅ 天皇皇后両陛下は、令和5年8月15日に日本武道館で行われた全国戦没者追悼式にご臨席されました。
✅ 両陛下は、戦没者に黙祷を捧げられ、天皇陛下がおことばを述べられ、再び戦争の惨禍が繰り返されないことを願われました。
✅ 全国戦没者追悼式は、政府により毎年8月15日に日本武道館で天皇皇后両陛下ご臨席の下、実施されています。
さらに読む ⇒宮内庁出典/画像元: https://www.kunaicho.go.jp/about/gokomu/odemashi/activity/tsuitoushiki-r05.html天皇皇后両陛下のご臨席のもと行われる追悼式典は、厳粛な雰囲気の中で執り行われます。
戦争の悲劇を忘れず、平和への願いを新たにする場として、大きな意味を持っていますね。
日本の戦没者慰霊事業は、戦争の犠牲者を追悼し、平和への願いを次世代に伝えるために重要な役割を担っています。
この事業は大きく分けて二つの柱で構成されています。
一つは、毎年8月15日に日本武道館で開催される「全国戦没者追悼式」です。
天皇皇后両陛下の御臨席のもと、約6千人の参列者が集い、310万人の戦没者を追悼します。
遺族には国費による旅費補助も行われます。
この式典は、戦争の記憶を風化させず、平和への誓いを新たにする場となっています。
また、毎年5月下旬には、皇族が臨席する「千鳥ケ淵戦没者墓苑拝礼式」も行われます。
ここでは、約37万柱の遺骨が納められた千鳥ケ淵戦没者墓苑で、戦没者の霊を慰めます。
なるほど、全国戦没者追悼式は、天皇陛下のご臨席のもと行われるのですね。遺族の方々にとっては、大切な時間でしょうね。
海外での遺骨収集と法整備
海外の遺骨収集、どれくらいの遺骨を収容した?
約34万柱の遺骨を収容。
海外での遺骨収集は、未だ多くの課題を抱えています。
この章では、その現状と、法整備による変化について掘り下げていきます。
収集の現状、推進法の内容を見ていきましょう。
公開日:2025/01/11

✅ 第二次世界大戦で海外で亡くなった約240万人のうち、約112万柱の遺骨が未収容のままで、国は遺骨収集を推進している。
✅ 2016年に戦没者遺骨収集推進法が成立し、2023年の法改正で、現地調査・遺骨収集の集中実施期間が延長された。
✅ 海没遺骨や収容困難な遺骨を除く約59万柱を中心に、現地調査や遺骨収容が進められている。
さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20241212/k00/00m/040/196000c未収容の遺骨が多く存在する現状は、非常に心を痛めます。
法律の改正により、遺骨収集がより推進されることを願います。
関係者の地道な努力に頭が下がります。
もう一つの柱は、海外での遺骨収集と慰霊巡拝です。
昭和27年度から開始された遺骨収集事業は、これまでに約34万柱の遺骨を収容しました。
海外戦没者約240万人のうち、約128万柱の遺骨を収容していますが、海没や相手国の事情により、未収容の遺骨も多く存在します。
特に、旧ソ連・モンゴル地域では、抑留中の死亡者の埋葬地特定や遺骨収容に力を入れ、19869柱の遺骨を収容しました。
モンゴル地域については、おおむね収容を完了しています。
平成28年には「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」が制定され、遺骨収集が国の責務として明確化されました。
また、令和5年6月には同法が改正され、集中実施期間が令和11年度まで延長されました。
この法律に基づき、日本戦没者遺骨収集推進協会が設立され、遺骨に関する情報収集や遺骨収集を担っています。
海外での遺骨収集は、大変な作業だと思います。ご遺族の方々が、少しでも早く、大切な方の遺骨と対面できるようになることを願っています。
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フィリピンの戦没者遺骨収集と慰霊活動。政府は平和への願いを込め、遺族に寄り添い、戦争の記憶を後世へ。天皇陛下の慰霊活動も。未来へ繋ぐ平和へのメッセージ。