赤染衛門ってどんな人?歌集や夫との関係、生涯を徹底解説!(赤染衛門、和歌、平安時代)赤染衛門の和歌の世界:代表歌「やすらはで〜」の背景と魅力
平安時代を彩った歌姫、赤染衛門。三十六歌仙にも選ばれた才色兼備な女性で、紫式部も才能を認めたほど。道長に仕え、数々の名歌を残し、その歌は今も人々の心を打つ。夫との愛情、子への想い、そして時代の移ろいを歌に込めた彼女の生涯は、まさに輝かしい。彼女の歌に触れ、平安の風を感じて。
💡 赤染衛門は平安時代中期の女流歌人で、三十六歌仙にも選ばれました。藤原道長の正妻である倫子や娘の彰子に仕え、多くの名歌を残しています。
💡 代表作として『小倉百人一首』にも収録されている「やすらはで寝なましものを」があります。夫との死別や息子の病気を心配する歌も残しました。
💡 赤染衛門は、歌人としての才能だけでなく、女房としての務めも果たし、紫式部など多くの歌人とも交流がありました。その生涯は輝かしいものでした。
それでは、赤染衛門の生涯とその残した歌について、詳しく見ていきましょう。
赤染衛門とその歌
赤染衛門は何で有名?
歌人、三十六歌仙
赤染衛門の歌の世界へようこそ!彼女の生きた時代背景や、代表作である「やすらはで~」の歌について解説します。
公開日:2024/07/04

✅ この記事は平安時代中期の女流歌人、赤染衛門の代表作である「やすらはで〜」の歌を解説しています。
✅ 歌の背景として、道長の兄・藤原道隆が赤染衛門の姉妹に約束したにもかかわらず、姿を見せなかったことが説明されており、当時の「通い婚」の慣習と、女性にとって男性の訪問がいかに重要であったかがわかります。
✅ また、記事では「やすらはで〜」のほかに、赤染衛門が詠んだ他の有名な和歌2つを紹介しており、息子の病気を心配する母親の姿や、夫の浮気を嘆く妻の姿がそれぞれ表現されています。
さらに読む ⇒サライ|小学館の雑誌『サライ』公式サイト出典/画像元: https://serai.jp/hobby/1179794赤染衛門の歌は、当時の社会背景や女性の心情を繊細に表現していますね。
特に恋の歌は切なく、現代の私たちにも共感できる部分があります。
赤染衛門は平安時代中期の女流歌人で、三十六歌仙に選ばれた優れた歌人です。
藤原道長の正妻である倫子や娘の彰子の女房として仕え、数々の名歌を残しました。
特に有名なのが、『小倉百人一首』の59番に収録されている「やすらはで寝なましものをさよふけて傾くまでの月を見しかな」という歌です。
この歌は、道長の兄である藤原道隆が赤染衛門の姉妹に会いに行く約束をしたものの、来なかったことから生まれたとされています。
現代語訳すると、「こんなことなら、あれこれ考えずに寝てしまえばよかった。
あなたを待っているうちに夜が更けて、西に傾いて沈んでいく月を見てしまいましたよ」という意味になります。
赤染衛門は『栄花物語』の作者とも言われ、紫式部や清少納言、和泉式部らとも交流がありました。
紫式部は『紫式部日記』の中で、赤染衛門の歌才と温厚篤実な性格を高く評価しています。
赤染衛門は、息子の挙周を心配して詠んだ「代らむと思ふ命は惜しからでさても別れむほどぞ悲しき」や、夫の浮気を知って詠んだ「我が宿の松はしるしもなかりけり杉むらならばたづね来なまし」など、数々の名歌を残しています。
これらの歌からは、赤染衛門の深い愛情や知性を感じ取ることができます。
赤染衛門の生涯は、歌人としての才能と、女性としての深い愛情、そして知性によって彩られた、輝かしいものでした。
なるほど!赤染衛門の歌は、単なる恋の歌ではなく、当時の女性の置かれた立場や心情を読み解く鍵ですね。非常に興味深いです!
赤染衛門の歌の魅力
赤染衛門の歌は何に影響を与えたの?
和歌や俳句に
平安時代の和歌は、自然美や人の感情を繊細に表現し、現代の私たちにも響く魅力を持っています。
赤染衛門の歌の世界へ、さらに深く入りましょう。

✅ 平安時代中期から後期は、王朝文化が最も華やかなりし時代であり、和歌の才が重要視され、宮廷では歌合が盛んに催され、恋の歌を詠む機会が増えました。
✅ 技巧的な歌作りが顕著になり、演技的な傾向も強くなり、物語を踏まえた歌も盛んに詠まれました。
✅ 平安時代中期を代表する恋の歌い手、和泉式部は数多くの恋を経験したことで、現実的な苦悩を読んだ先駆けとなり、その揉み揉みとした韻律は、この時代の賜物です。
さらに読む ⇒和樂美の国ニッポンをもっと知る!出典/画像元: https://intojapanwaraku.com/culture/237257/和歌集に多数収録されているだけあり、赤染衛門の歌は多岐にわたるテーマを扱っていますね。
自然描写の美しい歌や、恋の歌、別れの歌など、多様な表現が魅力的です。
赤染衛門は、勅撰和歌集である八代集、拾遺和歌集、後拾遺和歌集、金葉和歌集、詞花和歌集、千載和歌集、新古今和歌集、百人一首に多数の和歌が収録されています。
これらの和歌集に収録された赤染衛門の歌は、自然の美しさ、人間の感情、恋愛、別れ、旅、そして人生の移ろいなどをテーマにしています。
特に、自然描写に優れ、繊細な心の動きを表現した和歌が多く、後世の和歌や俳句に大きな影響を与えました。
例えば、後拾遺和歌集の「春上むらさきの袖をつらねてきたるかな 春たつことはこれぞうれしき」は、春の到来を喜び、鮮やかな紫色の花々が咲き乱れる様子を描いた歌です。
また、恋の歌も多く、その多くは切ない別れや叶わぬ恋心を歌っています。
例えば、金葉和歌集の「春よろづよのためしに君が引かるれば子の日の松もうらやみやせむ」は、恋人の別れの悲しさを、松の寿命の長さになぞらえて表現した歌です。
このように、赤染衛門の歌は、自然と人間の心の結びつき、人生の喜びと悲しみ、恋愛の喜びと苦しみなど、普遍的なテーマを扱っており、今もなお人々の心を打つ魅力を持っています。
赤染衛門の歌は、今読んでも心に響くものばかりですね。特に自然描写の美しさは、現代の俳句にも通じるものがあり、素晴らしいです!
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平安時代の才色兼備な歌人、赤染衛門。紫式部も認めた歌才と教養、良妻賢母ぶりで時代を彩る。中宮彰子に仕え、歌合でも活躍。その生涯と魅力に迫る。