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吉良智子の研究から読み解く、女性画家と戦争画の世界とは?戦時下の女性画家たちと、彼女たちの描いた戦争画

ジェンダー論との出会いから、吉良智子氏は女性と美術、そして戦争画の研究へ。戦時下の女性画家たちが直面した社会的な制約や葛藤、そして作品を通して見えてくる時代の息吹。女流美術家奉公隊など、これまで光の当たらなかった女性たちの足跡を丁寧に辿り、美術史におけるジェンダー問題を浮き彫りにする。長谷川春子や三岸節子たちの姿を通して、現代にも通じる問いを投げかける、必見の考察。

吉良智子の研究から読み解く、女性画家と戦争画の世界とは?戦時下の女性画家たちと、彼女たちの描いた戦争画

📘 この記事で分かる事!

💡 女性美術家奉公隊の活動と作品、そして吉良智子氏の研究を紹介

💡 戦争画におけるジェンダー視点の重要性と、当時の女性たちの役割

💡 近代日本の女性洋画家と戦争の関係、ジェンダーの視点からの美術史考察

それでは、女性画家と戦争画というテーマに焦点を当て、吉良智子氏の研究を詳しく見ていきましょう。

研究の始まり ジェンダーと戦争画への関心

吉良智子氏が戦争画研究に目覚めたきっかけは?

ジェンダー論と美術史の学び

本日は、吉良智子さんの研究から、女性画家と戦争画の関係について見ていきます。

女性画家は歴史において、なぜ見落とされてきたのか―『女性画家たちと戦争』著者・吉良智子さんが語るジェンダーと美術の関係

公開日:2024/03/04

女性画家は歴史において、なぜ見落とされてきたのか―『女性画家たちと戦争』著者・吉良智子さんが語るジェンダーと美術の関係

✅ 美術史家・吉良智子さんは、近代日本美術における女性画家の研究を専門としています。特に、第二次世界大戦中の「女流美術家奉公隊」と、その隊員による異色の作品《大東亜戦皇国婦女皆働之図》に注目し、著書「女性画家たちと戦争」で戦時下の状況と社会構造を分析しました。

✅ 吉良さんの研究は、NHKのETV特集で取り上げられ、アートメディアでも注目されています。

✅ ラジオ番組「むんぱれTuesday その日の天使」では、吉良さんをゲストに迎え、ジェンダー美術史、戦争と女性画家に関する研究の背景、リサーチの過程、出版後の反応、そして今後の展望について語ります。

さらに読む ⇒(レディクロ)インターネットラジオ放送局出典/画像元: https://www.radicro.com/news/radicro-tokyo/munpare/kiratomoko/

吉良氏がジェンダー研究を通して、女性と美術の関係に関心を持ち、戦争画というテーマに切り込んだ経緯は興味深いですね。

吉良智子氏は、大学時代にジェンダー論の授業を受けたことをきっかけに、女性と美術の関心に目覚めました。

その後、西洋美術史のゼミでリンダ・ノックリンやノーマン・ブライソンの作品に触れ、ジェンダーと絵画の両方を深く学びたいという気持ちが強くなりました。

1995年、戦後50年という節目を迎えた時期に、戦争画を研究する人が増え始めたことを受け、吉良氏は「戦争画」と「女性画家」という、美術界や社会から「厄介者」扱いされているテーマを研究対象とすることを決意します

なるほど、ジェンダー論から戦争画へという流れは、とても興味深いです。吉良氏の研究の深さに期待が高まりますね。

運命の出会い 「大東亜戦皇国婦女皆働之図」と女流美術家奉公隊

吉良氏はどんな絵に魅了され、研究を始めたのか?

「大東亜戦皇国婦女皆働之図」

本日は、吉良智子氏の研究を通して、女性画家と戦争画の関係について見ていきます。

第二次世界大戦下の女性たちの労働を描いた《大東亜戦皇国婦女皆働之図》が伝えること——『女性画家たちと戦争』著者インタビュー(前篇)

公開日:2023/08/11

第二次世界大戦下の女性たちの労働を描いた《大東亜戦皇国婦女皆働之図》が伝えること——『女性画家たちと戦争』著者インタビュー(前篇)

✅ 本書は、戦争画というタブーとされる領域に、さらに女性という視点を加えた、画期的な研究である。

✅ 著者は、大学時代、ジェンダー論と戦争画という、美術界や社会から「厄介者」扱いされているテーマに出会い、研究対象として選んだ。

✅ 特に、女性画家の集団「女流美術家奉公隊」が制作した「大東亜戦皇国婦女皆働之図」に着目し、当時の社会状況や女性の役割について考察している。

さらに読む ⇒好書好日|出典/画像元: https://book.asahi.com/jinbun/article/14977723

「大東亜戦皇国婦女皆働之図」との出会いが、吉良氏の研究を深めるきっかけになったのですね。

奉公隊に関する情報が少ない中、地道な調査で成果を上げた点も素晴らしいです。

大学3年時に、ある方から靖國神社の遊就館に「すごい絵がある」とアドバイスを受け、訪れた吉良氏は、そこで「大東亜戦皇国婦女皆働之図」《秋冬の部》に出会います

コラージュのような技法を用い、女性ばかりを描いたこの絵の不思議さに惹きつけられた吉良氏は、この絵を描いた「女流美術家奉公隊」についても興味を持つようになりました。

奉公隊に関する情報は少なく、研究を進めるには困難が伴いましたが、吉良氏は諦めずに、過去の美術年鑑や新聞記事などを調べ、地道な調査を続けました。

その結果、奉公隊の活動や作品に関する新たな知見が得られるとともに、当時の女性美術家たちの状況が見えてきました。

私も「すごい絵がある」と聞いて、その場に居合わせたかった! 女性ばかりを描いた絵とは、一体どんなものだったのでしょうか?

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戦争下の女性画家たちの足跡を辿る!吉良智子氏の研究を通して、ジェンダー視点から美術史を読み解く。知られざる葛藤と表現、そして現代への問い。