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天皇制とは?現代社会における天皇と国民の関係を紐解く(?)昭和天皇『拝謁記』から読み解く天皇の変遷

戦前と戦後で大きく変化した日本の天皇制。象徴天皇となった今も、そのあり方は国民の意識と密接に結びつき、様々な議論を呼んでいます。本書は、天皇制の歴史的変遷、生前退位問題、そして国民の天皇に対する意識を多角的に分析。国民主権と天皇制の関係、タブー視されがちな議論の重要性を問いかけ、日本の政治思想史を深く理解するための手がかりを示します。

天皇制とは?現代社会における天皇と国民の関係を紐解く(?)昭和天皇『拝謁記』から読み解く天皇の変遷

📘 この記事で分かる事!

💡 戦前と戦後の天皇制の違い、象徴天皇制の成立とその背景について解説します。

💡 現代の生前退位問題を通して見える、天皇と国民の関係性、タブー視される問題点に迫ります。

💡 日本共産党の天皇制に対する考え方や綱領改定の意図を解説します。

本記事では、天皇制の歴史的変遷、現代における天皇と国民の関係、そして象徴天皇制の意義について掘り下げていきます。

まず、天皇制の歴史的な歩みから見ていきましょう。

戦前からの天皇制の変遷 絶対性から象徴へ

戦後、天皇制はどのように変化したのか?

象徴天皇制へ

本書は昭和天皇の肉声を通して、天皇の考えや心情を読み解く貴重な資料です。

今週の本棚:『象徴天皇の実像「昭和天皇拝謁記」を読む』=原武史・著

公開日:2025/01/11

今週の本棚:『象徴天皇の実像「昭和天皇拝謁記」を読む』=原武史・著

✅ 本書は、初代宮内庁長官・田島道治が昭和天皇との対話を書き残した「昭和天皇拝謁記」を分析したもので、天皇の肉声が生々しく記されている貴重な史料である。

✅ 本書は、田島が他人に読まれることを想定していなかったため、天皇の率直な考えや心情が記録されており、天皇観、政治・軍事観、戦前・戦後における天皇の役割などについて、多岐にわたる内容を網羅している。

✅ 本書は、戦前・戦後を通じて昭和天皇が抱えていた葛藤や苦悩、そして時代の変化に対する天皇の対応などが詳細に記されており、象徴天皇制の実像を理解するための貴重な資料となっている。

さらに読む ⇒ニュースサイト出典/画像元: https://mainichi.jp/articles/20250111/ddm/015/070/011000c

昭和天皇の率直な考えが記録されているとのこと、大変興味深いですね。

象徴天皇制の実像を理解する上で、貴重な資料となりそうです。

日本の天皇制は、戦前には「絶対性を有した゛万世一系゛の天皇」と「憲法に基づいた統治権を持つ天皇」の両方の側面を併せ持ち、微妙なバランスの上に成り立っていました。

戦後、GHQの占領政策により、天皇は「象徴」という曖昧な概念を持つ存在へと変化しました

これは、戦争責任を問われることを避けるため、天皇制を「民主化」するための戦略でした。

天皇は「国事行為」のみを憲法上許され、戦前のような権威を持つ存在ではなくなりました。

しかし、昭和天皇の全国巡幸など、天皇の行為は「公的行為」として解釈され、天皇の権威を利用することで国民の心を落ち着かせ、国際社会に「民主化」を示すという目的がありました。

天皇の行為は、時代の流れによって解釈が変化し、国民の受け止め方も変化してきました。

象徴天皇制は、戦後、様々な解釈と模索を繰り返しながら、現代に至るまでその存在意義を問い続けられています。

天皇の率直な考えが記録されているのは、すごいですね!当時の天皇が何を考えていたのか、非常に興味があります。

生前退位問題が浮き彫りにする、現代における天皇と国民の関係

天皇の生前退位は、日本のどんな問題を浮き彫りにした?

天皇への意見表明のタブー

天皇陛下の生前退位に関わる、様々な問題提起について解説します。

号外】陛下、退位に強い思い国民にビデオで表明
号外】陛下、退位に強い思い国民にビデオで表明

✅ 天皇陛下はビデオメッセージで生前退位の実現に強い思いを示し、国民に理解を求めた。陛下は高齢による体力の衰えを理由に、象徴としての務めを続けることが難しくなると懸念している。

✅ 陛下は公務の重要性を強調し、象徴天皇の務めが安定的に続いていくことを願っている。しかし、公務の負担軽減策には限界があると指摘し、摂政についても否定的な考えを示した。

✅ 陛下は国民の安寧と幸せを祈ること、人々の傍らに立ち寄り添うことを天皇の務めとして語り、これまで皇后さまと共に各地への旅を通して大切な務めを果たせたことを喜び、その役割を果たせなくなったとしても天皇であり続けなければならない現状への苦悩をにじませた。

さらに読む ⇒下野新聞スーン出典/画像元: https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/12810

生前退位問題は、現代社会における天皇と国民の関係性を浮き彫りにしていますね。

タブー視されている点について、深く考えさせられます。

今回の天皇陛下の生前退位は、国民の側から天皇もそろそろお年だから退位されてもいいんじゃないかという声があがっているにもかかわらず、天皇に向かって意見を言ったり、訴えたりすることに対して強いタブー感がある日本社会の現状を浮き彫りにしています

これは、国民主権を定めた憲法第一条と矛盾するものであり、天皇をおそれ多い存在として祭り上げることこそ、憲法とはかけ離れた考え方であると言えるでしょう。

日本の伝統的な思想では、権力者に直接訴えることは許されず、天皇も例外ではありません。

戦後も、昭和天皇が全国各地を訪れた際、生活の苦しさや戦争責任などを天皇に訴えようとした人はほとんどいませんでした。

これは、天皇制の復活を恐れたGHQが巡幸を一時中断させたほど、日本人の天皇に対する従順さが根強く残っていることを示しています。

今回の生前退位問題が、現代の天皇制と日本という国、そして我々国民との関係について深く考えるきっかけになったことは事実です。

しかし、今の天皇皇后に対しては、民主主義、平和主義を重んじる方々という良いイメージが定着しています。

これは、平成になってから災害が多かったこと、そして天皇と皇后が被災地を訪問するなど、国民と寄り添う姿勢を見せてきたことが影響していると考えられます。

天皇制を巡る議論は今後も続くだろうと考えられます。

国民主権の原則に基づき、天皇のあり方について国民が自由に意見を表明することが重要です。

同時に、日本社会における天皇に対する従順さ、タブー意識といった問題点についても、改めて議論していく必要があるでしょう。

天皇陛下の生前退位、色々な意見があるんですね。国民がもっと自由に意見を言えるようになるといいなと思いました。

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日本共産党が天皇制への見解を転換!憲法と党綱領に基づき、天皇の役割を再定義。日本の政治思想史を多角的に分析し、歴史、社会、文化、思想を繋ぎ、その変遷を紐解く。