歌舞伎の歴史と現在、未来(?)歌舞伎の変遷と、現代の舞台芸術への影響
歌舞伎の華麗なる世界へ!河原乞食と呼ばれた時代から、国民的スターへ。禁じられた女歌舞伎、若衆歌舞伎を経て、大衆文化を牽引する存在に。屋号に込められた役者の魂、格付け、そして驚きの収入事情まで徹底解説!伝統と革新が織りなす、歌舞伎の奥深さを堪能あれ。
💡 歌舞伎は、江戸時代に庶民の娯楽として発展し、独自の様式を確立しました。
💡 明治時代には伝統芸能としての地位を確立し、現代の歌舞伎へと繋がっています。
💡 歌舞伎役者の屋号や年収、収入源の多様化など、現代の歌舞伎事情について解説します。
それでは、歌舞伎の歴史や現状について、3つのポイントに絞ってご紹介します。
歌舞伎誕生と発展 庶民の娯楽として花開く
歌舞伎はどのようにして人気娯楽になったの?
大衆化と役者の地位向上
本日は歌舞伎の誕生から発展の歴史について、紐解いていきましょう。

✅ 歌舞伎は、16世紀後半の戦乱が落ち着き、庶民文化が発展した中で生まれた「風流踊り」から派生した芸能です。特に、出雲大社の巫女を名乗る「お国」による「かぶき踊り」は、その奇抜な扮装と、男装して女性と戯れる様子が人々を魅了し、大きな人気を博しました。
✅ 「かぶき踊り」の人気は、女性による「女歌舞伎」を生み出し、全国で流行しました。しかし、その人気ゆえに社会問題も発生し、風俗乱れるとの理由で禁止されてしまいます。その後、若者による「若衆歌舞伎」が台頭しますが、こちらも同様の理由で禁止されてしまいます。
✅ 禁止令を受け、成年男性による「野郎歌舞伎」が誕生しました。演目はレビュー的なものから、筋立てのある演劇へと進化し、演者の技術向上も求められました。また、若衆歌舞伎から発展した「女方」という男性役者の役割が確立され、様々な役柄が類型化されることで、歌舞伎は本格的な舞台芸術へと発展していきました。
さらに読む ⇒文化デジタルライブラリー出典/画像元: https://www2.ntj.jac.go.jp/unesco/kabuki/jp/history/history1.html様々な制約を受けながらも、歌舞伎は男性中心の芸能として発展し、女方の確立は大きな転換点だったようですね。
江戸時代初期の歌舞伎は、現代のような高尚なイメージとは異なり、河原乞食と呼ばれるほど低い地位にありました。
女性による歌舞伎(女歌舞伎)が風俗上の理由で禁止され、若衆歌舞伎も同様の理由で禁止された後、男性のみの歌舞伎(野郎歌舞伎)が主流となりました。
しかし、元禄時代以降、歌舞伎は大衆的な娯楽として人気が高まり、役者は町人の権利を得て、店持ち町人と呼ばれるようになりました。
これは、役者が表向きは商売をしなければならないというもので、実際には使用人や家族が経営する店を持つなどが一般的でした。
人気役者は芸名とは別に屋号を名乗り、これが現在でも歌舞伎役者の家系名として残っています。
当時の庶民にとって、歌舞伎はテレビのような存在であり、休日に芝居小屋で一日過ごすことは娯楽の定番でした。
役者絵は、現代のプロマイドのような人気を博し、役者はアイドルのような存在でした。
富裕層の女性は、身分を隠して贔屓の役者が出る小屋に通い、中には、芝居の後に役者を宴会の場に招いて舞を披露してもらった例もあったそうです。
女歌舞伎や若衆歌舞伎が禁止されたのは、現代からは想像もつかないですね。時代背景を理解することは重要ですね。
明治時代 伝統芸能への道
明治時代、歌舞伎役者の地位はどのように変化したのか?
変化し、地位向上へ
明治時代における歌舞伎は「伝統芸能」としての地位を確立させたんですね。

✅ 1887年に井上馨大臣邸で、明治天皇が御臨席された天覧歌舞伎が開催されました。
✅ 上演された演目は「勧進帳」の他、「山姥」「夜討曾我」「土蜘蛛」などです。
✅ 「勧進帳」の演目では、九代目市川団十郎が弁慶を演じました。
さらに読む ⇒ジャパンアーカイブズ日本の近現代史年をビジュアルで振り返る出典/画像元: https://jaa2100.org/entry/detail/046248.html天覧歌舞伎の開催は、歌舞伎の地位を向上させる上で大きな出来事だったと言えるでしょう。
明治時代に入ると、武士文化の衰退や俳優への税金徴収などにより、歌舞伎役者の地位は徐々に変化していきました。
明治22年には、日本俳優組合(現在の日本俳優協会)が設立され、役者自身の権利を守る組織となりました。
また、明治時代以降は天覧歌舞伎が開催されるようになり、歌舞伎は伝統芸能としての地位を確立していきました。
さらに、西洋芸術や演劇の流入により、日本の演劇は多様化し、歌舞伎もその中で伝統芸能としての位置づけを確立していったと考えられます。
天覧歌舞伎って、すごいですね! 昔の人はどんな気持ちで見ていたんでしょうか?
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歌舞伎の屋号と格付け、収入事情を解説!伝統と歴史が織りなす役者社会の裏側を徹底解剖。現代の年収や稼ぎ方も明らかに!