縄文海進と奥東京湾：地形と歴史が織りなす埼玉の過去と現在とは？縄文海進がもたらした地形と、江戸時代の治水事業、そして現代の埼玉県東部地域の開発

本日は、埼玉県の地形形成に大きな影響を与えた「縄文海進」を中心に、その後の治水事業、そして現代の埼玉県東部地域の開発について、分かりやすく解説していきます。

縄文海進と奥東京湾の形成

今回のテーマは「縄文海進と奥東京湾」です。

この時代、地球温暖化によって海水面が上昇し、関東平野の地形が大きく変化したのです。

縄文海進～～

✅ 約6,000年前の縄文時代には「縄文海進」と呼ばれる海水面上昇が起こり、関東平野の大部分が海に沈み、富士見市周辺は「古入間湾」に面していました。

✅ この海進の原因の一つは、気温変化によるものです。最終氷期には気温が低く、多くの水が氷として閉じ込められていたため海水量が減少し、海岸線は海退していました。その後、気温が上昇し氷が溶けることで海水面が上昇し、海岸線は海進しました。

✅ 東京湾の海岸線は、10,000年前には現在より沖合に位置し狭い入江でしたが、6,000年前には陸地奥まで侵入し複雑な形をしていました。4,000年前にはその中間くらいの位置にあり、海岸線は周期的に海進と海退を繰り返していることが分かります。

さらに読む ⇒゛出典/画像元: https://www.geocaching.com/geocache/GC7R0BP

当時の地形を想像すると、現在の埼玉県は全く違う姿だったことが分かります。

縄文時代の人々は、この変化をどのように見ていたのでしょうか。

関東平野は、縄文海進によって奥東京湾と呼ばれる広大な湿地帯を形成しました。

縄文海進は約6000年前に起こった地球規模の温暖化による海水面上昇で、現在の栗橋、幸手、大宮、浦和、野田、流山、王子、品川、大森などが海岸沿いに位置していました。

その後、海が後退し、奥東京湾は広大な湿地帯となりました。

縄文海進で陸地が水没した話、ロマンがありますね！教科書で習った内容が、こんなに具体的にイメージできるなんて、すごく面白いです！

江戸時代の治水事業：利根川東遷と見沼溜井

今回のテーマは、江戸時代の治水事業についてです。

伊奈忠次が成し遂げた利根川東遷と見沼溜井の建設は、今日の東京の繁栄に繋がっています。

孫の代まで年かけて、利根川東遷事業を成し遂げた伊奈忠次

公開日:2023/03/08

✅ この記事は、ICC KYOTO 2022のセッション「世界の偉人伝 (シーズン4)」での、伊奈 忠次についての講演内容を紹介しています。

✅ 伊奈 忠次は、利根川を東に曲げるという壮大な事業を、息子や孫の代まで含めて60～70年かけて成し遂げました。

✅ この事業は、湿地帯だった江戸を整備し、水運による経済活性化、農地整備、防衛ラインの構築など、様々な利点をもたらし、今日の東京の繁栄に大きく貢献しました。

さらに読む ⇒【】ともに学び、ともに産業を創る。出典/画像元: https://industry-co-creation.com/lifestyle/88848

利根川の流路を変えるという壮大なプロジェクトは、まさに土木技術の粋を集めたものだったのでしょう。

当時の人々の苦労が偲ばれます。

江戸時代には、徳川家康が関東の開発に着手し、利根川東遷計画を立案しました。

この計画は、利根川の河口を銚子沖に移すことで、湿地帯の解消を目指したものでしたが、家康の存命中には完成しませんでした。

その後、伊那忠次が、見沼溜井を建設しました。

見沼溜井は、利根川の水を貯め、下流域の灌漑用水として利用するものでしたが、その一方で、周辺の田畑は水没しました。

利根川東遷の話は聞いたことがありますが、伊奈忠次という人物については詳しく知りませんでした。当時の人々の知恵と努力に頭が下がりますね！