『論語と算盤』が語る現代社会への教訓とは？渋沢栄一の思想に迫る！渋沢栄一と『論語と算盤』：道徳と経済の調和を説く

それでは、渋沢栄一の生涯を振り返りながら、彼の思想が現代にどのように活かされているのか、具体的に見ていきましょう。

渋沢栄一とその功績

渋沢栄一の功績と、現代における再評価についてご紹介いたします。

新一万円札の顔！渋沢栄一とは何者か？――『渋沢栄一』『現代語訳論語と算盤』著訳者対談

公開日:2024/07/03

✅ 近年、渋沢栄一への関心が再び高まっているのは、2008年のリーマンショックやバブル崩壊のような経済危機が起きた際に、彼の「道徳経済合一主義」という思想が注目されたためです。

✅ 特に、リーマンショック後には、英米型の金融資本主義の暴走が問題視され、経済倫理の重要性が再認識されました。また、中国の台頭により、経済と道徳の両立を重視する渋沢の考え方が注目されています。

✅ 渋沢栄一の著作「論語と算盤」は、古典的な漢文で書かれており、現代人にとって読みづらいという問題がありました。そのため、守屋淳氏は、現代語訳版を出版し、より多くの人に渋沢の思想に触れる機会を提供しました。

さらに読む ⇒好書好日｜出典/画像元: https://book.asahi.com/jinbun/article/15328748

渋沢栄一の『道徳経済合一主義』は、現代の企業経営や社会貢献のあり方を示す重要な指針と言えるでしょう。

渋沢栄一は、江戸時代後期に生まれた日本の実業家であり、近代日本の経済発展に大きく貢献した人物です。

彼は、約480社の企業設立に関わり、「日本近代資本主義の父」と呼ばれています。

また、教育や社会公共事業の支援、民間外交などにも力を注ぎ、子爵の称号を授けられました。

2024年度上半期より発行される新一万円札の肖像に選ばれ、2021年にはNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公となりました。

渋沢栄一は幼少期より学問に励み、従兄の尾高純忠から「論語」を学びました。

晩年には、「論語と算盤」という著書を著し、儒教の教えと経済活動を結びつけ、企業倫理や社会貢献の重要性を説いています。

渋沢栄一は、経済活動と倫理のバランスを重視し、企業が社会の一員としての責任を果たすことの重要性を説いていました。

彼の思想は、現代においても、企業経営や社会貢献を考える上で重要な指針となっています。

渋沢栄一の思想は、現代社会でも非常に重要な意味を持っていますね。特に、経済と倫理の両立という考え方は、現代の企業経営に欠かせない視点だと思います。

『論語と算盤』の誕生

『論語と算盤』が誕生した背景と、その思想について解説します。

論語と算盤』とは

✅ 渋沢栄一が1916年に出版した『論語と算盤』は、日露戦争後の社会における「修養主義」の文学思潮の流れを汲む書籍の一つであり、同時期に出版された他の名士や知識人の著作と同様、精神の鍛錬と品性の向上を説いています。

✅ 日露戦争後の社会は、国家や社会への関心が薄れ、個人の価値観が重視されるようになり、特に若者たちの間では自己実現や精神的な成長を求める傾向が見られました。

✅ 『論語と算盤』は、そのような時代の流れの中で、渋沢栄一が自身の経験と深い素養に基づいて、論語の教えを現代社会に適用し、富と道徳の両立を説いたものであり、当時の社会状況を反映した重要な著作と言えます。

さらに読む ⇒公益財団法人渋沢栄一記念財団出典/画像元: https://eiichi.shibusawa.or.jp/features/rongotosoroban/about.html

渋沢栄一が『論語と算盤』を通して伝えたかった、倫理と経済の調和という考え方は、現代社会においても非常に示唆に富んでいますね。

『論語と算盤』は、渋沢栄一が1916年（大正5年）に刊行した著作であり、彼の数多くの著作の中でも代表的な標語である「論語と算盤」を冠した作品です。

この標語は、1911年（明治44年）に「論語と五十盤」として『竜門雑誌』に掲載されたのが初出で、渋沢は、論語の教えを現代社会に適用し、富の追求と道理の重要性を説いています。

日露戦争後、渋沢は多くの書籍を出版するようになり、『論語と算盤』の刊行はその一例です。

この時代には、戦争後の精神的な荒廃を憂慮し、個人の修養や精神的な向上を訴える書籍が数多く出版されました。

渋沢の『論語と算盤』も、そうした時代の流れの中で、倫理と経済の調和を説くことで、社会への貢献を目指した作品と言えるでしょう。

『論語と算盤』が日露戦争後の社会情勢と深く関わっていたとは、驚きです。渋沢栄一の思想が、当時の社会の課題に応えようとしていたことがよく分かりました。